ケサエさんの山里便り2(銀鏡)

くろまめの母です。
昭和一桁生まれのばあちゃんです。
19歳で嫁に行き、4人の子を授かり、
4人の老親を見送りました。
畑仕事が、今や私の喜びです。
自然と共に生きることは、まこと体に
ええごたります。
明日は、ああして、こうしてと仕事の
段取りを考えながら床に就くのです。
こんな幸せなことはありません。






 よう晴れました (2010年11月23日)

まこと 朝日がきれいじゃった〜 こん日は、銀鏡神社の秋まつりじゃもんですから、町から娘たちが 上がってきました。まつりは、五穀豊穣を祈願し、神楽2番と鉦踊り を奉納します。我が家に来る途中に銀鏡神社に行って、写真を撮ったげな。 娘達がうちに上がってきたときは まだ明るうして、ゆっくりすることができました。 まつりの話を聞きながら 町からお土産のお弁当をごちそうになりました。 明るいうちに写真を撮るわ〜ちて 畑や山に向かってパシャパシャ撮っとりました。 「キャ〜キャ〜」 「なんかおっとね?」 「カンタロー〜〜〜」 カンタロウは、ミミズのお化けんごとありますがねえ。 青々としたコレじゃが。 私の父が昔植えた杉も撮ってくれました。 金柑は12月の銀鏡大祭のあとに収穫しようと思うています。 娘達が甘露煮やジャムにすっちゅうもんですから。 また上がってくるこっちゃろう(笑)。 「蚊避けのハーブが広がってきたわね〜。良かったわねえ〜」 まあ〜喜んでくれました。 芋がらと柿を見て まあ笑うこと 笑うこと。 どっちも爺様の好物ですから。 「それにしても そんなにたくさん!!」 私には たくさんには見えんですがねえ。 そういいながら 娘達も食べていました(笑)。 帰りにまた畑ば撮っていましたがぁ〜〜。 「高菜のお漬物食べたいわあ〜」ちて 嬉しいこと言うておりました。 12月になったら神楽のことなど便りばしようと思うています。 風邪に気をつけてなあ。それじゃあ また。 ありがとうさ〜〜〜ん。

 立冬 (2010年11月8日)

村は、大祭に向けて夜神楽の稽古が続いとります。 急に冷えてきましたが、向かいの山のメタセコイアは未だ色づいてはいません。 先日の定期受診には、娘たちに里芋を持参しました。 受診を終えると、こんなランチを用意してくれていました。 朝から唐揚げと手作りピザをこしらえてくれたそうで有難いことでした。 夜は、お礼代わりに、すきやきを囲みました。 孫たちが「婆ちゃんが来ると肉が高級でヤバイっす」 と喜んで食べてくれるのが嬉しゅうてたまらんですが〜。 帰りは、古墳祭りとぶつかって凄い人出でした。 有名な鰻屋さんの前も行列が出来ていました。 街に出るのは、月に1度がいい塩梅です。 来月は、セーターやコートが必要じゃろ。 そろそろインフルエンザの予防接種を受けにゃなりません。

 キクイモ、サトイモ、ハスガラの背がぐんぐん伸びました (2010年8月23日)

先週は台風の影響もなくありがたいもんでした。 雨が止んで、町から娘と孫が来てくれました。 キクイモが2メートルくらいになっているのを見て、 えらい感動して何枚も写真を撮っていました。 私は写りとうなかったちゃけど娘が 「キクイモとの対比なのよ」 というもんですから、背中を撮ってもらいました。 ハーブを、藁をかぶせた土に移植しました。 「次回は又増えて来春は花盛りだわね〜」 また感動して写真を撮ったとですが。 「畑の土はまるでスポンジのようね。栄養たっぷりで人間様と同様 肥えていますこと〜」 「確かに!」と答えたら、孫が笑うのなんのったら。 キュウリと茄子はまたこれから生ります。 モロヘイアもよく出来ました。7月からもうどれだけ食べたことか。 柔らかくて粘りがあって、爺様と私は大好物です。 私の足元の菜っ葉は、白菜です。 写真は双葉ですが三つ葉になると間引きします。 それをお味噌汁に入れていただいています。 ところで、みなさんは、ハスガラをご存知ですか? (学名かどうかはわからんとですが)、 インターネットで調べたらわかるちて娘が言うておりました。 娘と孫は、ハスガラの茎の酢の物をえらい気に入りましてなあ。 シャリシャリと音を立てて食べました。 持って帰りましたばい。盆の頃から霜が下りる頃まで食べれます。 味付けは、二杯酢に白だしをほんの少し入れます。 ジャコを入れたり、削り節を入れたり、 鯵の刺身ともよく合うごとあります。 茎は調理する前に塩もみしてよく絞ります。 ダリアはまこて大きい花になりました。 土がええちゃろかいなあ。嬉しいもんじゃ。 煮しめも喜んで食べてくれました。 こん日は、厚揚げを入れていますが、高野豆腐を入れると 乾物同士ですから互いの旨みがよく引き出されます。 2、3回、火を入れた頃が味しいですがね。 今日は、4回目の火を入れました。 最後にミョウガを縦半分に切って、入れました。 ミョウガがさ〜〜〜っと煮しめのだし汁を吸います。 まこて おいしいですよ〜。 久しぶりに畑の便りを出しましたが、食べることばかりの話で失礼 しました。

 昨年の12月に植えた男爵芋を収穫しました (2010年6月6日)

娘たちがジャガイモ堀を手伝ってくれました。 こんこ(娘)たちに一畝づつこしらえとりました。 まあ〜にぎやかなもんでした。 最後に自分たち用を掘っとりました。 どげな料理がええじゃろかいと聞きましたら、 「ハーブと鶏肉をオリーブオイルで、ニンニクも入れて・・・。チーズ も合うけれど・・・」  体のことば心配してくれました。 私も爺様も肉じゃががいちばん好きですがねえ。 ニラとジャガイモの味噌汁も美味しいですがねえ。 タマネギも干さってきています。喜んで持って帰りましたがあ(笑) 私がなんでもかんでも「昔の野菜」ちてゆうごとあるらしいですが ここへんの人は、みんなそういいやります。菜の花よりも苦味がなく てさっぱりとした味がします。 確か? そうじゃった、こん野菜のことはお伝えしとりましたなあ。 学名は知らんとですが。 また来年の春にこん野菜がいっぱいできます。 私は ずっと絶やさんごつ とっとっとですが。 この袋を見て、こんこたちが笑うちゃあ〜そりゃあ もうえらいもんでした。 爺様は耳が聞こえんちゃに こんこたちが笑うもんじゃから  そんようすばみちょって まあ〜笑いやること 笑いやること。 「昔の野菜の種」ってこんなに大きな文字で書かなくてもいいんじゃない? 「お父さんが間違えて、昔の種なら捨てればええとになあ」って捨てたらど うすっとねえ」っていうっててすがあ。そして笑いやっとですが。 娘たちも孫も爺様も みんなが蛙ごつみえてきましたがあ。 青蛙さん。ガマ蛙さん。見てる私はウシ蛙じゃろかいなあ。  「あんたたちはわろうてばっかりおらんで 帰るしたくばせんとね」 町とこことでは暗くなるのが一時間は違いますからなあ。 町の学校に行っていたときは、こんバス停で降りてくるのを見て、 帰るときは庭から見送くったもんでした。 今は 車でさ〜っと手を振って家の前を通過するのを手を振って見送ります。 無事に帰り着いたと連絡が来ると これで一安心します。 じゃ、ちょっと畑ばみてくださいな。花もきれいに咲いとります。 カモミールはみんなが気に入ってくれとりなさいます。 近所のひとたちも ええ匂いがするなあちていいなさいます。 乾燥させてお茶にしようよとあんこたちがいうちょりました。 這い性ローズマリーを石垣に這わせたらいいよちて教えてくれました。 猪が食べんし、雑草同様で丈夫ですもんね。じゃがじゃが。 次ん日は、雨が降ったり止んだりでした。山は寒いとです。 蔓を這わすためのネットを買うてきとりましたが なんもせんで過ごしました。

 山はいちんち雨でした (2010年5月10日)

雨のおかげで いちだんと緑は緑に 花は花に きれいですがねえ。 ちょっと私と一緒に庭に出て眺めてみやらんですか。 家の裏に回ってみましょうかねえ。 ここでご先祖様たちに一年中花を楽しんでもろうています。 下りは、足元に気をつけてくださいよー。 ショウブは昔からあっとですよ。 鹿や猪が嫌う花は、ジキタリス、スイセン、フヨウ、キョウチクトウの ようですがねえ。 サカキの新芽は鹿の好物じゃごとあります。まこてかわいい顔して たべとります。 ジキタリスが咲いとるところは元は茶畑でした。 果樹と花樹は鳥にやられますけど向こうのほうに植えとります。 いやいや、嘆いとっちゃないとですよ。 ちょっとは私も楽しんでおってすが。 爺様のことをカラスが気に入っちょるごとあります。 同格じゃろかい。ちょっとは爺様の方が目上とみちょとるとじゃろかい。 そういうわけでしてなあ〜。 柿の木は向こうにもあっちゃけど孫用にと爺様用に残して、ここで 野菜やイモを作っちょります。私のいちばんの至福の場所ですがあ。 北海道の男爵イモの種芋からこんなに立派に育っています。 キクイモは10センチくらいの高さになりましたばい。 知っとられますか?   ええ。そんなら 秋になったら花を見に来てくださいよ。 鹿や猪が嫌いがるもんかどうかまだわからんとです(笑)。 あららー コンポストにカラスがきとるばい!! ソラマメがまあよく出来ました。 この目玉の風船も脅しですから(笑)。 ソラマメの花には黒い目玉がいっぱいありますがねえ。 こんどは大きな目玉風船が睨みをきかせちょらっとですよ(笑)。 今年は霜が降りんでしたから、野菜がようできました。 ソラマメは今日が初採りです。 あんたさんも持って帰りやっとええですが。 夕ご飯も一緒にたべやらんですか。 西都牛です。こっちん人は 厚揚げ、モヤシ、ダイコン、ニンジンも 入れるってすよ。さあさ どうぞ 召し上がってください。

 快晴です!体調も庭も畑も好調です (2010年4月6日)

うちんとこの庭は花盛りです。 ハーブはここでしばらく育てようと思うています。 花もかわいらしいですがねえ。爺様もええ匂いじゃあと喜んでくれます。 こげええ天気じゃあ〜 今日は畑仕事がはかどりますがあ。 ソラマメの手をたてて、 ↓赤芽大吉を植える予定ができてまこて嬉しいもんじゃ。 ↓男爵イモの芽がでてきました。こんまえ菜の花と菜の花の間に作った畝ですが。 ↓キクイモの根が成長しとります。 ぜんまいの初採りです。 仕事を終えてお風呂に入るのが楽しみです。 温水器があるっちゃけど、今日みたいな日は薪で沸かしたくなります。 ちっとものさんこたあないてすがあ。 爺様が冬のうちに薪割りしてくれましたからありがたいこってす。 今日はなにもかもうまくいきました。 マッサージ師さんに予約していましたから そろそろ着きやる頃ですがあ。 79歳。まだまだ元気ですばい。

 天気が落ち着いてきたとはいえまだまだ霜に用心ですが (2010年3月13日)

3月10日は、宮崎市内はちらほら雪が降ったそうな。 西米良は20センチくらい積もったそうな。 東側のこちらはなんもなくてあとで知ってびっくりしました。 13日は良く晴れました。まこと春らしい陽気でした。 爺様は集まりがあって出かけやったので私は娘と孫と一緒に村の 上の方へドライブをしました。80年近くここに住んでいますが、 こんげゆっくりドライブができたのはひさしぶりのことでした。 私が生まれ育った家の前の川を見ていましたら子供時代のことなど がふわっと浮かんではとどまったりして忘れていたことなどが次から 次と思い出されてきました。 私が昔話をするのを娘も孫もよう聞いてくれました。忘れてしもうと ったことがしっかりとした感じで思い出されてきて私自身もびっくり しましたがあ 途中の道もきれいでした。 おばあさんの手が穴から出てくるという伝説のある地区にも行って みました。 娘は初めて来たっちゃげな。こん子たちの時はもうこの地区には子供 はおらんかったちゃろかいなあ。 家に帰り着くなり「今日はまこてええ日じゃった〜〜〜」っていう たっちゃが。甲高い声だったちゃが。孫が笑い娘も笑いそれからは 笑うばっかしでした。 菜の花がこげんなりました。 金網の中でしか咲かせられんてっすがあ。爺様と一升枡ぶんの種を まきましたが、山では動物との関係も穏やかにしたいもんです。 こうやって、ジャガイモの畝を菜の花と菜の花の間にこしらえること にしました。 ここらでは霜がおりることもありますから15センチくらいは土をか ぶせんといかんとですが。 そらまめは花を咲かせました。ズッキーニを32株植えました。キク イモも芽を出しました。 石榴は乾燥させる事にしました。ブンゴという種類の梅の木に桃色 の花が咲きました。実は大きいですから種をとって実だけを砕いて 漬けてみようと思うています。 紫木蓮もきれいですがあ。向かいの桜もきれいなもんじゃ。 石垣の上のオウバイは隙間が広いのでそのうち挿し木をして黄色 が濃くみえるようにしたいもんじゃと思いながら眺めています。 今日は里芋の種を植えました。

 自己管理せんと (2010年1月10日)

みなさん 寒中お見舞い申し上げます。 私は、もうすぐ満79歳になります。ありがたいもんじゃとおもうて おります。先日病院で血液検査を受けました。 昨年の暮れにお医者さんから1月は血液検査をしますと言われて いました。 熊蜂に刺された傷跡を見つけられて、何ともないからって放って おくと、後遺症の神経痛が出ることもあるそうで大変心配してく ださいました。 このことは12月に報告している通りですが、もうその日が明日と いう日がやってきました。 朝食を摂らずに来て下さいと言われていましたから、忘れんごとメモ をテーブルに置いて寝ました。 朝になって爺様の食事を用意しているうちに、すっかり忘れて一緒に 食事をしましたらアウトですから。 朝一番のバスに一時間以上乗って行かないと病院がありません。 自己管理をしっかりしているつもりでも用事が出来ると、そのことに 神経が向いて片方を忘れたりと・・・最近そういったことが出てきました。 ああ〜そうそう。じゃった!じゃった!。  その肝心の血液検査はなんら異常はでとらんかったです。 「ケサエさんの身体には敵わん」とお医者さんに云われました。 病院の帰りは、娘が車で送ってくれました。いつものようにスーパーで 仰山、食品や日用品を買いました。 しばらくはこれで間に合いますから安心です。 家に着いてほっと一息。おやつなどいただきました。 私は、食後には血糖値を下げる薬を飲まなければなりません。 これを忘れたらアウトです。 忘れない先に、こうやって見えるようにしておくと大丈夫です。 娘が、それはそれは笑いましてな〜。肩を震わせながら写真を撮って いました。