木曜日の風のいろ11


毎日いろんなできごとがありますね。
歩き疲れたら、立ち止まって足元を見てみましょ。小さな草が風に揺れてます。
振り返って見てみれば、いつの間にやら道だってできてるはず。曲がりくねったって、
でこぼこしてたっていいのでは。ここまで来れたのだから。
今からだって、一歩ずつ、一歩がきつかったら、半歩ずつ、ゆっくり歩いて行きましょう。
相変わらず、今日は今日の風が吹く、そんな気持ちでね。

木曜日には木曜日の風のいろ。
今日も風に乗せてメールを送ります。




   これから… (2020.4.2)      この鬱々とした感情      どうしようも無さ      公園の池のほとりのベンチに一人すわり      きれいに咲き揃った花壇の      黄色いパンジーと赤いチューリップと      今この時を謳歌しているかのごとくの      ほぼほぼ満開の桜たち      いろんな要請が出ていても      行き場を無くした子供たちが      ボールを蹴ったり走ったり      自転車や三輪車に乗ったり      傍らで見守る大人たち      どうにかして      この時をやり過ごし      気持ちの納めどころと      体力の消費や増進のため      ウォーキングや      ジョギングなんかにも励む      足元には      鳩がクウクウ鳴いて舞い降り      餌を探して歩き回る      鳩にはこの現状なんて関係無いだろうか      今日は清々しい青空      きれいな花たちとかわいい鳩      コンディションは揃っているというのに      人間の世界だけが…      これから      この気持ちの晴れる日が      早く戻ってくれることを      ただただ願っている
   往 復 (2020.3.26)      仕事に行き家に帰る      旅行やどこかに出かけ地元に戻る      2階に上がりまた下に降りて来る      元の場所に戻って来れるのはありがたいこと      最近ウォーキングを始め      短い時間でも少しの距離でも      どこかを歩き帰って来る      当たり前のことを      日課にしたいと思っている      夫は今大きな建物の中で      日に何度も廊下を往復しているらしい      家に戻って来れるまであと数日      足慣らしをして      出たままの家に戻って来ること      当たり前の顔してね
   現し世 (耳〜色) (2020.3.19)      ハンモックに揺られながら見た夕陽      日がな一日くるまっていた毛布      ふと耳に届いた不思議な音のする方へ      返事の来ない手紙をポストまでの245歩      本のページとページの狭間      真ん中に挟んだ栞の絵は薊      三毛猫が丸く寝ている暖かいフォルム      むすんでひらいてかごめかごめ      迷路の入り口のその先も      もう1枚の森へと続く小道の絵や      役割を全うしようとする木の葉に降りる朝露      ゆびきりげんまん約束が必要なのはこの現し世      用意された東風と共に仰ぐ天の原      ラズベリーが添えるデザートの彩り      リアルな一日の何処かにあるピンホール      ルートを歩き続ければいく粒かの雨垂れ      レモンを探して立ち止まったあの時の岐路      廊下を曲がれば出口は左側      輪投げの輪の落ち行く先      を訪ねれば弧を描く放物線      んと高く虹色に染めながらまだまだ続くのだ
   言の葉 (耳〜色) (2020.3.12)      朝の清しい日差しは嬉しい      いろんな鳥の歌を耳に残そう      後ろからも懐かしい声      えくぼを浮かべた優しい笑顔      お預けのあの道を歩こうか      かたちばかりの書きかけの日記      昨日のできごとも忘れて行く      くじらの出て来る絵本もあったっけ      けなげな瞳のあの子      小首を傾げた横顔のあどけなさ      サーカスは久しく見てないし      幸せのためには遠くも探す      少しずつの思いを重ね合わせ      精一杯未来に生かそ      そうすればほらやって来た      たくさんの仲間たち      違いも有りつつ認めつつ      繋ぎ合わせたその手と手      ティーポットには皆の分と      時計の針がチクタク時を刻むような      何気ない午後のひとときに      二匹で戯れる兄弟の子犬      温もりと信頼と約束の鐘      ねぎらいの気持ちの      ノートに綴る七色の言の葉
   ようやく… (耳〜色) (2020.3.5)      真っ白な雲が      岬の先から呼んでいたから      昔話を耳の奥で何度も反芻させた      目にするもの全ての意味は分からなくても      もうすぐ      やって来るらしい寂しさを      ゆっくりゆっくり感じずには居られなくて      寄り添う老犬は      羅針盤の針が      リルリルリルと回っている姿を      ルーレットのように眺めていた      レコードのLP盤が奏で続ける音も      蝋燭の炎が終わろうとする頃には      わずか一日が一生分の長さ      をも感じさせて      ん?モノクロの世界?      …だったことにようやく気づいたんだ
   ひと冬越したら (耳〜色) (2020.2.27)      立ち止まったその先に      小さな頃の足跡がまだあるから      続いている水平線へ      手を伸ばそう      共に耳にしたあの歌声は      なぞなぞを歌っているようだったね      西の入り陽も      塗り絵の色の無い縁どりも      猫の首に揺れる鈴も      乗り降り自由な      箱型の貨車に夢として積み込もう      ひと冬越したら      不思議な世界へと      平行なレールを繋げて      星空に色とりどりの光を散りばめに行こう
   せめて(耳〜色) (2020.2.20)      抗うことなんて考えられなかったから      いつも目を閉じていた      浮わついた心が時々それを押しやった      縁側のすきま風に耳を傾け      幼い日のアルバムは手に取らず      かじかむ指先に      昨日のことだと言い聞かせた      くじけそうな足元と      消してしまうことを躊躇していた過去と      言葉も選べず      咲ききれないままの花びらの重なりに      しまい忘れた引き出しの中から      素直な心を少しだけ取り戻して      せめてもの詫びの文字を便箋に      そっと色を足して載せられればと思う
   約束 (2020.2.13)      胸がちょっとドキドキする      自分に約束したことが      今日は守れなかった      自分との約束なんて      内容はさほどのことじゃない      誰にも迷惑かけることでもないし      でもちょっと申し訳ない気がする      明日こそは      …      良くも悪くも      ちょっとだけ前進のためにも      ドキドキが消えるといいな      自分のための      小さな約束
   取り扱い (2020.2.6)      家電の買い換えが続いて      新しいものがやって来ると      必ずついて来る説明書      大きく変わらないからと      じっくり読みもせず      ちょっとした失敗続きで      やっぱり      気をつけなければ      取り扱い…      自分の名の横に      要注意と書かれた書類を見つけ      えっ?なのか      おっ!なのか      ちょっと笑えた      私の取り扱いに      注意が必要なんだ…      気をつけよう      どう気をつければ良いのかは      分からないのだけど      そして      周りの方々も      気をつけてくださいね      自分で気をつければ      良いだけなのかどうかも      分からないので
   風のいろ(耳〜色) (2020.1.30)      この時季の風のいろは…      木枯らし吹けば枯れ葉いろ      みぞれ降る午後はみぞれいろ      噂好きの人びとは      冷たい風を吹かせたがる      世の中に吹く風はいろんないろ      川向こうの家の庭先に      我が家の庭に      梅の花がぽつぽつ咲き始め      桃だって桜だって      蕾をふくらませられる日を      待っている      だから      耳を澄ませて待っていよう      近づく足音が      春いろの風を連れて来るはずだから
   感 覚(耳〜色) (2020.1.23)      いつも眼鏡をかけている彼女が      眼鏡をはずすと      耳の聞こえかたが違うと言う      眼鏡をかけていない私には      ?だったけど      ちゃんと見えていると      ちゃんと聞こえるのだと言っていて      感覚ってそういうものかもと思う      で      私の耳はリアルでは聞こえない音も      拾ってしまうようで      時々ハッとする      確かに      カチッとかガチャッとかガンッとか      何かの音がしたのに周りに      そういう原因になりそうなものは無く      どうも脳内で発生しているのらしい      見えないものが見えたり      聞こえないものが聞こえたり      感じないものを感じたり      森羅万象…      なのかどうか      いろんなものがいろんなことを      発生させていても      ちっとも不思議じゃない      というか      世の中は      不思議なことで満ちている      そのうち      何でも透明に見えて来そうな      気がするのだけど
   木曜日 (2020.1.16)      木曜日が来た      木曜日を意識するようになって      どのくらい経つだろう      月曜日はまだ始まったばかり      火曜日はまだ先が長い      水曜日はまだ半ば      木曜日はやっと少し落ち着く      金曜日はこれで一応大丈夫と思えるよう      仕事に切りをつけ      土日は外出の予定や家のこと      個人的な用事      ヤレヤレを感じる間もなく      また週が明け      また始まり始まり      そんな繰り返しで…      木曜日が好きなんだな      週半ばをちょっと過ぎたあたり      ここんところを乗り越えれば      とほんの少しの安堵感      そして      まだやることがあるんだ      というこれも安堵感      だから風なんかも感じられるのかも      今日は少し冷たかった      始まったばかりの今年は      どんな風が通り過ぎて行くのだろうか
   山の…(港〜翼) (2020.1.9)      昔      山の天辺から      ハンググライダーが翼を広げて      風に乗って空を飛ぶ姿をよく見ていた      かつてその場所に行って      下界を見おろしたことがあった      今となっては夢幻のような      記憶だけれど      そんなブームがあった      一度の体験も無いまま      去ってしまった      山の天辺へはいつでも行ける      飛ぼうと思うことはもうないけれど      景色はいつでも見れる      だから      使わない翼を折りたたんだままでも      山の…      懐に抱かれて      港で身体を休めている船のように      ここに居よう      想いを浮かべ      想いを巡らせ      自由を堪能して
   展 望 (2020.1.2)      将来なんて分からない      どこまで続くのか…      でも      今まで生きて来た中に      いくつかの段階があって      そのときそのときに      はっきりした自覚や      認識は無かったとしても      それらしきものはあったはず      どうにかこうにかでも      乗り越えてここまで来れたのだから      今      第四段階辺りが終わろうとしていて      これから先の展望に      少しでも      光やその兆しが感じ取れるのなら      上等じゃないか      そんな心境で      今という峠に佇っている