あつ子@カナダ13
日本を離れた歳月が、生まれ育った日本での歳月を超えた時、カナダに生きる自分を、
生きてきた自分と一緒に見つめて見るいい機会に恵まれたと思っています。
人の人生は、決して単調でない事などを含めながら、日頃の自分を異国の地で色んな方面から
分析をしてみたいと思っています。これからも、ささやかでも感じる心を持ちながら、
自分の言葉で自分らしさでこれからも綴っていきたいと思います。
長い道のりを終えて (2016年12月24日)
昼夜含めて51回目と言う長い道のりを越えてトロント紅白歌合戦が
今年も終わった。本番前日、全てが整った舞台に立って眺めながら、
これでまた1年が終わろうとしている、と思った。トロント紅白はいつ
も1年の終わりを告げるトロント日系社会の大きなイベントである。
私は1984年、32年前に歌った歌をバンドで歌うという話が飛び
込んできた。当時のメンバーの一人を含んだ他は、私の息子のような
人達である。ある友人が「今更ながらに思うけれど、皆さんの年齢差
がすごく良かった。年齢差を無視して色んな事が一緒にできるのが
紅白かなって思います。」という素晴らしいコメントをもらった。
世代交代という事が話題になって久しいが、このようにして自然に
それは流れ自然にバトンを渡していくものではないだろうか。
今回は熊本地震支援の義援金箱も設置して呼びかけたがそれに加えて
紅白純益金からも寄付が決まった。他、日系文化会館、ジャパニーズ・
ソーシャル・サービス、もみじヘルスケア協会(老人ホーム)に寄付
が決まった。
本番では100人を越えるボランティアが動き、1人でも欠けることの
できない勝負であるけれど、素人が作るというこのイベントは40年と
言う長い年を重ねてきたのである。
最後になったが「そんなヒロシに騙されて」は軽快に歌う事ができた。
衣装は、周りの仲間達と相談を重ねて派手になったが、纏う私は相当に
勇気がいったのである。ウフッ)
そして、「くろまめの小さな展示室」の皆様、素敵なクリスマスと新年
をお迎え下さい。
いろんな出来事 (2016年11月1日)
ハローウイン一色の黒やオレンジ色の世界も終わりました。子供が小さい頃は
張り切って玄関先を飾ったものです。トロントに来た頃ですが、キャンデーを
用意して子供達を待っているおば様から「はい、キャンディ、どうぞ」と呼び
止められたものでした。アグネスチャンのように長い髪をしていた20代の頃、
あまりにも若く見られて苦笑したものです。東洋人は小柄だし誰でもそのよう
に見られているようですが。外で長男を遊ばせていると日向ぼっこをしている
おばあちゃんから「あなたはどうして学校に行かないの。ちゃんと学校には行
きなさい・・・」と説教じみたことを言われ「日本で行ってきました・・・。」
と答えたような・・。パブに入ろうとしたら「パスポートを持ってきなさい・・・。」
と追い返され、ずいぶん散々な目にあいました。今は?そう少なくなりましたね。笑)
今日は嬉しい事がありました。奧にしまって置いたハンドバックの中から、失く
したと思っていためがねが出てきました。日本で購入した物でケースが可愛くて
気に入っていました。ケースにはNHK朝のドラマの「べっぴんさん」ではないです
が、可愛い花柄の刺繍がしてあります。5年前、あの時レストランに置き忘れて
きたのだと思い続けてきました。そして、一緒に花の形をした可愛い指輪が出て
きました。シルバーですからちょっと変色していますが磨けば可愛いピカピカの
指輪に変身するでしょう。失くしたと思っていたものが出てくる事は本当に嬉し
いものです。「さがしものはなんですか、みつけにくいのもですか、かばんのな
かもつくえのなかもさがしたけれどみつからないのに、まだまださがすきですか・・・」
という井上陽水の歌を口ずさむ日でした。
おてもやん (2016年10月3日)
今日の一世デー400人でした。友人の踊りに合わせておてもやん。
熊本地震の被災者の皆さんを思いながら歌いました。
https://www.youtube.com/watch?v=fzMBTzRYh58&feature=youtu.be/
トロント戦後移住者の歩み (2016年9月30日)
戦後、カナダ政府が移住許可を再開したのは1966年で、東京のカナダ大使館に
移住担当官が着任し、日本側も、外務省、国際協力事業団(JICA)が啓発を
強化して1967年に、JICAカナダ事務所がトロントに開設された。その開設された
年から、来年の2017年で50年を迎える。その50周年を記念してシンポジウムを
行ったり、そして、来年の9月に「トロント新移住者50年の歩み」を発刊する事
となった。すでに実行委員会を立ち上げ、月一回の編集会を行っている。
記念誌を充実させる為に座談会などを行い、またメデイアに投稿の募集を始めた。
トロントの土に第一歩を踏みしめた日から、異国で生きた今までの様々な苦労や
感動など人生の思いをそれぞれの歴史としてこの記念誌に残してほしいと思う。
完成まで長い道のりであるがトロントに住んで記念誌を発行するのは最後の大きな
作業になるだろうと思う。言葉の文化日本語もこれから先、いつの日か消えていく
日もないとははっきり言えない。今、戦後移住者が次世代の新移住者一世、二世と
続くことを思いながらこの記念誌を将来の為に残すという大きな役目を果たしたい
と思う。
夏の便り−暑い日々 (2016年8月3日)
「あつ〜いわねえ」が挨拶になった。毎日30度前後の日々が続いている。友人達との会話に
「山がないから空が広いわよね。」と続く。その分、なかなか暗くならない。夏時間でもあるし、
その分、夜が短い。その上、雨がこのところ降らない。カラッとした暑さだが太陽が痛く感じる。
こんな夏は珍しい。トロントに来た頃は、夏は短く、猛暑などなかった。
車も多くなった。北へ北へと家が建ちビルが建つ。一人乗りの車で朝に夕方にラッシュアワ
ーの時間が延びる。対策に高速道路は二人以上乗り用のレーンができる。大きなぬいぐるみ
を乗せてそこを走る人もいるらしいがポリスはちゃんとわかっている。世の中そううまくはいかな
い。しかし、車も多くなりいとも簡単に道路も広くなる。しかしである。なんと道路の工事の多い
ことか。そして「まだ終わらないの?」と時間も掛かりすぎる。道路工事はトロントの名物、と言わ
れているほどにどこもそこも工事だらけである。
夏はBBQ。食べ過ぎにご用心の季節でもある。今日は友人宅に招待されてサプライズが用意
されていた。北村一輝さんとの出会いである。テルマエ ロマエ、大河ドラマ天地人などなどに
出演されている。BBQ、楽しい会話・・・夏の時間を思い切りエンジョイできた。
今日も29度、明日は30度、明後日は32度・・・トロントの夏は続く。
夏 (2016年5月28日)
トロントにも夏がやってきました。今日も30度。嬉しくなります。湿気がないので
快適な感じです。
トロントは時に春を飛び越えて夏がやってきます。夏はやっぱりピクニックです。
毎年、千葉県人会さんと合同ピクニックをやっています。スイカ割り、水風船投げ、
豆うつしなどなど、ゲームを用意して楽しみます。小さな県人会ですが頑張っています。
応援歌 (2016年5月22日)
「水前寺清子ショー」、場所はトロントの日系人の親睦の場となっている日系文化会館。
応援歌を歌う姿はその年齢を想像できないパワーだった。舞台を降りてからの彼女は、
気さくでエンドレスに話が続くほど長年の人生がそこにうずもれている感じだった。
辛い事やしんどい時などなど、人は歌にたくさん助けられる。その歌詞が、人それぞれ
の生きていく道のりをそのまま映し出し力をくれる。そんな歌が彼女の応援歌にも滲み
出ていた。それはまた同時に人柄にも滲み出てくるのだ。
彼女との時間に私はたくさんの生きる力をいただいた。
5月の便り (2016年5月11日)
二ヶ月ほど日本に帰ってきました。菜の花が咲き桜が咲き藤が咲きつつじが
咲き・・・花花の共演でした。
花に包まれた故郷は私の長い病の日々を癒してくれました。そこに山が聳え
たち・・・ああ故郷だなあ・・・と思い切り深呼吸をして過ごしました。
96歳の母はよく笑いよく食べ、しみじみ母の顔を見ながら数年前とあまり
変わっていないことに驚きました。その母からも元気をもらったのでした。
トロントに帰ってきて時差で苦しみましたが、今、どうにか落ち着きました。
トロントにもようやく春が来たようです。でも、何となくまだ肌寒く、今頃
は満開のはずの桜も葉っぱの方が先に出てしまいぱっとしない感じです。
でも、友人からオンタリオの州花であるトリリアムが咲いた便りがきました。
あれからもう一年?と思いながら写真をながめました。昨年、闘病中の中、
ファームを持っている友人からトリリアムの花が咲きましたよ・・・と連絡が
来て行ってきました。林の中に、いっぱいのトリリアムが咲いていました。
輝く緑と真っ白な花に身も心も癒されました。自然っていいなあ、とつくづく
思った日でした。
トロント紅白を終えて (2016年2月6日)
最終実行委員会で以下のような記事を日系メデイアに掲載します。
今年の開催についてはこれからの課題となりました。何事も同じですが継続することの難しさ
を感じています。しかし前向きに検討したいと思っています。
1977年に開始されたトロント紅白ですが、私も、トロント紅白と共に歩んできたような
感じがしています。出会いがあり、そしてその出会いで培った仲間達との精神を大事にした
いと思います。
「2015年度トロント紅白歌合戦を終えて
次世代に向けて「原点から未来へ」をテーマに開催された2015年度トロント紅白歌合戦
が12月6日に盛況裡に終えることができました。出演者、裏方一同総計100名にのぼる
ボランティア・スタッフでしたが、長い準備期間を越えての本番はボランティアの底力を見る
思いが致しました。開催にあたり、ご協力いただいた広告主、寄付者の皆様そしてご来場頂いた
皆様に厚くお礼を申し上げます。
尚、純益金から日系文化会館に2,000ドルとマイク2本、ジャパニーズソーシャルサービス
に2,000ドル、ヒロコバラルルーに2,000ドル(次年度継続の場合)の寄付を致しました。
2015年度トロント紅白歌合戦実行委員会」
「お正月会」 (2016年1月20日)
トロント新移住者協会は日系文化会館の傘下になり「新日系コミッティー」と名を改めた。
日本語を中心に日本の文化を継承する目的と新移住者も世代交代の中で次世代にバトンを
渡す目的として大きく展開しようとしている。
そして、その様な中、2000年に開始した「お正月会」がこの24日に開催される。
今年は雪も少なく天気にも恵まれそうである。大イベントであるので、会場が150人の
ボランテイアと700人を越える人達でお正月一色になる。
神社を設置したり、周りは食べ物やクラフトなどの出店が所狭しと並ぶ。会場では、お屠蘇
のデモストレーション、杵と臼でお餅つき、お神輿、獅子舞が気分を高める。
それが終わると舞台では演芸が開演。舞踊や三味線や尺八など企画も整った。中でも、今年
の着物のファッションショーには力を入れている。眠っていた着物がそれぞれの思いの中で
披露される。ぶっつけ本番の舞台であるから、今、担当者は、綿密な話し合いをして、準備中
である。今回は、日本の年次文化行事を基に行うが私も解説文の作成に忙しい。1月はお正月、
2月は豆まき、3月は雛祭り・・・と12月まで続く。新移住者から新2世、新3世そして
日系3世、日系4世までの出演者であるから、なかなかおもしろい企画である。ここにも、
日本文化を次世代に継承という目的が含まれている。
こうして、「お正月会」の準備が整っていく。後は、多くのご来場を待つだけである。