木曜日の風のいろ7

 10年ほど前、心が折れそうになることがあって、、、逃げ出したい、、、抜け出したい、、、
 でも、それ以前に、なぜ自分がここに居るのか、なぜこういう状況に直面しなきゃいけないのか、
 自分を納得させるために、自分に問いかけ、向き合わざるを得ませんでした。
 そんな暗中模索の中、自然発生的に生まれ出てきた言葉たちです。
 今もまだ、完全に吹っ切れた訳ではないのですが、、、、今日は今日の風が吹いています。
 九州の空の下より風に乗せてメールを送ります。
 お読み頂けたら幸いです。  (はるか)




   変わらないよね (2016.12.29)      年の瀬が押し迫って来ると      なぜ焦るんだろう      夜行性の私は      いつも      明日が今日になっても      さして変わることもなく      なにやらごそごそしてる      今年が去年になる瞬間      来年が今年になる瞬間      その瞬間もきっと      さして変わることもなく      やっぱりなにやら      ごそごそしてるはず      だから      何も焦ることなんて      ないんじゃない      今年中にできることは      今年の内に      来年でもいいことは      来年になってから      だから      いつもと同じように      過ごしていよう      明日が今日になる瞬間も      来年が今年になる瞬間も      なにも変わらないよね      だから      いつもと同じように      過ごしていよう      できることをやりながら
   折り合い (2016.12.22)      ふだん      何を思い      どんな言葉を使っているのか      気がつかない内に      ついつい      使ってしまっている言葉もあるのかも      自分では分かりにくいけれど      この      分かりにくいってのが      かなり問題…      消化器系が弱く      体調不良になりやすい      心と身体は密接に関係してるから      心が分かりにくいと思っていることは      身体も分かりにくいと感じるらしい      ウィルスや      普通の食べ物でも      身体がどう消化すれば良いか      分からないものが入って来たとき      追い出そうとして      発熱したり      お腹をこわしてしまったり      するのだとか      身体のために      良い心がけ      良い言葉      いつもいつも      プラス思考という訳にも      いかないけれど      あなたの言葉を      一番近くで聞いているのは      あなたの身体です      ってことなので      日々      心と身体の      折り合いのつけどころを      見つけていかなきゃな      と思います
   揺 (2016.12.15)      昨秋      母を亡くして以来      今年になってからもずっと      何かをどこかに      置き忘れているようで…      何をしていても      感情は上がったり下がったり      身体は右に左に芯がぶれるような…      感情はユラユラ      身体はフラフラ      おまけに      地震で地面までもが…      今年を      漢字一字で表すならば      「揺」      これしか無いなァ      来年は      心も身体も少しは      落ち着いて      ゆったりと      過ごせるように      なれればいいのだけれど
   そこにあること (2016.12.8)      期間限定の…だとか      今だけの…だとか      こだわりの…だとか      そういう謳い文句が      ちょっと苦手      べつに      限定されてなくてもいいし      今じゃなくてもいいし      こだわってなんかないし      そこら辺にあるもので      いいんでないの      特別なものよりも      ごくごく普通の      手の届くものが      手の届くところにあることの方が      ありがたい気がしてね      畑で自生している小菊を      摘んで帰ったよ      ちょっとした彩りだけど      日常が豊かになるようで      そこにあるってことが      やっぱりありがたいよね
   待つということ (2016.12.1)      ひとを待つ      ときを待つ      ことを待つ      同じ待つなら      楽しくってのがいい      ワクワクしたり      ちょっとドキドキしたり      舞い降りて来る言葉      浮かび上がって来る言葉たちを      どんなのだろうと思いながら      待っている      そして今日は大失態も…      約束の時間を大幅遅刻      ずいぶん待たせてしまった      待ったり      待たせたり      まだまだ      ずっと待っていることも      それが何なのか      それはいつなのか      今は分からなくても      ただ待つということ      それが      今を      生きているということ      そう思いながら      今日も生きている
   修 正 (2016.11.24)      あそこをもうちょっとあァしたい      ここももうちょっとこゥの方が…      そこだってもうちょっとどうにかねェ      消しゴムで消したり      修正ペンを使ったり      上から色を重ねたり      失敗したと思っても      何回だってやり直し      すんなり行くはずはないんだもの      そもそも行く先は決まってないんだし      どこかへは行き着くのだろうし      焦る必要もないんだし      出来上がりのとき      たどり着くそのとき      その場所を目指して      軌道修正をくり返しながら      ぼちぼち進んで      行きましょう
   キャンバス (2016.11.17)      真っ白いキャンバスに      何を描こう      花を描きたい      空を描きたい      風を描きたい      思い描きながら      庭に花を植え      畑で野菜を育て      器に料理を盛りつけ      布を縫い      ビーズをつなぐ      それぞれが少しずつ      それらしくなっていく      どれも      多分みんな同じ      きっと      人生もそういうこと      生まれたばかりのときは      真っ白いキャンバス      どんな色で何が      どんなふうに描かれていくのか      さてさて      ぼちぼち      最終段階      何を描き足し      どう仕上げていこう      まだまだ      自分に問いかけなければ
   伊勢の旅 七句 (2016.11.10)      天高く迎えてくるゝ伊勢の里      手水舎の冷たき水に身を正す      下宮へと続く参道落葉踏む      内宮の天幕揺らす秋の風      内宮に頭垂るゝや秋気満つ      豊穣やおかげ横丁人の波      伊勢道のすすき手を振る旅の後
   紀伊半島の旅 七句 (2016.11.3)      紀伊水道揺るゝ航跡秋陽差し      秋陽落つみなべの海や旅の宿      異国語も落葉も舞ふやみなべの湯      那智の滝霊厳高き秋深し      那智大社高き石段秋の中      晩秋の水面続くや紀伊半島      松坂牛舌鼓打つ夜長かな
   物 (2016.10.27)      人って      生きていくのに      どれくらいの物を手にするのだろう      人がどのくらいの物を持っているのか      人それぞれだろうけれど      普通に暮らしていくには      持っている物の2、3割でいいんじゃないか      と聞いたこともある      ってことは      7割近くは余分な物      ってことを      頭では分かってる      でも      思い出のある物だったり      気に入って買った物だったり      生活に必要無いからって      すぐにも思いきれるものでもない      両親の遺品整理をしていて      つくづく思う      物にだって命がある      タンスや押入れに眠ってるだけで      か細い息はまだ続いている      物の命って      人より長いものが多い      使う人はとっくに居なくなっているというのに      これらの物を      そっと揺り起こしたり      新たな嫁ぎ先を見つけたり      まだまだ      一つ一つとの      寡黙な対話の時間が      必要なようだ
   カスタマイズ (2016.10.20)      ちょっと使いにくかったバッグを      自分で手直しして      夏用のお出かけバッグにしたり      なぜかあまりはいてなかったロング丈のデニムを      ハーフパンツにして裾に花柄をあしらってみたり      頂き物のエプロンに      布を足して      サロンエプロンに作り替えたり      いろいろ手を加えて      アレンジ      リフォーム      リメイク      ふふん      今からは      こういうの      カスタマイズしたのよ      って言うことにしよう      全然たいしたことじゃないけどね      案外楽しいから      いいってことにしておこう
   必 然 (2016.10.13)      突然届いた親戚の訃報      今夜はそのお通夜だった      亡くなったご本人とは      そんなにお付きあいはなかったけれど      ご焼香だけさせて頂きに      参列してきた      八十九十まで普通に生きる今の世の中      それよりはかなり早かった      長い闘病だったけれど      お顔はきれいだった      ご家族はまだまだ生きて      欲しかっただろうな      それとも重い身体を      脱ぎ捨てたことに少しでも      安堵を感じているのだろうか      帰って何気に点けたテレビの番組      家族の歴史を辿るものだった      両親や祖父母さらにその前の人たち      偶然のような必然の      出会いや出来事が      一つ一つ繋がってきて      今がある      今      この身体があることに感謝      そんな締めくくりだった      親族席にいた三人の孫娘たち      命は確かに受け継がれている      偶然ではなく必然として      今      私がここにいるのも      同じようなものか      ただ生かされているから      だけではなく      心して生きなければ      そんなことを思った      秋深しの夜となりにけりだった
   日にち薬 (2016.10.6)      その日      病院から一本の電話があって      「先生からお話があります」      翌日ひとりでその話を聞きに行き      兄姉へ連絡を入れ      それでも      実感は湧いて来ず      冷静さを装おうとする自分と      息苦しさを感じている自分と      何かをどこかへ押しやろうとしている自分と…      それでも      カウントダウンは刻々と進んでいて      一日      一週間      一ヶ月      一年      その後の進む速度は      ノロノロのようでもあり      超特急のようでもあり      いや      一分一秒      片時も忘れることは無く      かと思えば      全ては忘却の彼方のごとく      この一年どうやって      過ごして来たのか…      日にち薬      目薬のように      塗り薬のように      飲み薬のように      まだまだ      手元に置いて      支えたり見守ったり      してもらわなければ      あったことをそのまま      そのままのこととして      受け入れられるようになるまでは…
   コントロール (2016.9.29)      10月がもうすぐそこで      秋まっただ中      少しくらいは何かに      想いを馳せるとか      想いを巡らせるとか      余裕のある気持ちにでも      なれたらいいのだけど      日常生活は      あァでもない      こゥでもない      そんなことばかり      もう少してきぱきと      何でもやりこなして      …      室温や持ち物      なんかじゃないんだから      コントロール      自分自身      が一番難しい…
   墓参にて (2016.9.22)      今にも降りそうな空だったけど      実際少し降って来たけど      傘が必要なほどじゃない      墓参に出発      いつも三ヶ所回る      まずは遠い所から      メインだから最初に行く      実家の両親      見晴らしのいい丘の上      いい景色を眺めてるんだろうな      二番めは母方の祖父母      子供の頃から行き慣れた所      孫の中では      地元を離れなかった私が      一番可愛がってもらったんじゃないかと      思っている      三番めはペット霊園      十五年いっしょに暮らした      我が家の三女さん      たくさんの仲間がそばに居て      きっと寂しくはないよね      三ヶ所回った帰り道      車のワイパーは      小刻みに動いていたけど      心は      穏やか軽やか      みんなに手を合わせたから      みんなが笑顔になってくれたからかな
   どちらとも… (2016.9.15)      言葉の神さまは      どこにいらっしゃるのでしょう      いつもいつもご機嫌うるわしいとは      いかないようで      かと言えば      山と積もった書類たちは      まだかまだかと      迫って来るようで      ないないづくしと      あるあるづくしと      今日は      どうもそんな日のようで      小さな小さな      せめぎあいは      いましばらく決着を見られそうにない      そんな狭間に埋もれて      息もたえだえになりながら      時計を見上げている
   何事も (2016.9.8)      嫌いじゃないけど      好きでもない      楽しいと思うときもあれば      そうでもないときも      やりたくてやることもあるし      やりたくなくても仕方なしに      なんて      いろいろなバリエーション      仕事もあれば      家事もあるし      趣味だって      やりたいときに      やりたいことだけ      やってればOK      っていう訳にはいかないね      何事も      生きてることさえも      ま      生かされてるから      生きるとします      そんな感じでね      リラックスしながらね
   がんばる秘訣 (2016.9.1)      リラ〜ックス      リラ〜ックス      力を抜かなきゃね      あっちで言われ      こっちで言われ…      けっして生まじめでもなく      けっこう手抜きで      いかにラクするか〜って      常日頃      そんな生活してて…      誰かがどこかで      見てるのかなァ      力の入れすぎ      がんばりすぎよォって      どうやったら      ホントに      リラックスできるのかな      リラックスできてないのかな…      いやァ      そんなことはないでしょ      半分寝たような生活ですってば      力を入れなくても      ポイントを押さえれば      うまくいくんです      何事も      何事も?      まずはリラックス      そうなのか…      寝てちゃダメですよォ      って言われるように      がんばろうかな
   今までと今からと(考察) (2016.8.25)      どの花もみんなきれいだから      争うことなんかしないで      比べたりなんかしないで      一番を走り続けて来たこと      みんな知ってるよ      一人一人みんな違うんだし      今まで      その花を一生懸命咲かせて来たんだし      名前は誰もが知ってる      みんなを笑顔にしてくれた      みんなが認めてるよ      一生懸命だったこと      みんな特別な人たちだから      only oneな人たちだから      今からは      次のステージで      それぞれの進化した花を咲かせることに      一生懸命でいてください
   一瞬と永遠と (2016.8.18)      スーッと息を引いて      それまでの時間は長くても      そのときは      あっという間の一瞬で…      あっちの世界へ逝って      今夏が初盆      部屋を片付けたり      準備をしたり      費やした時間は多くても      過ぎてみれば一瞬で…      カンカン照りがずっと続いてて      今夏の雨はほんの一瞬で…      でも      暦の上ではとっくに秋だそうで      時間も季節も過ぎるのは一瞬で…      心に残った想い出は      私が覚えているかぎりは      私の中では永遠で…      今朝が過ぎても明朝があるし      今夏が過ぎても来夏があるし      時間も季節も      くるくる回って      続いて行くかぎりは永遠で…      いろんなこと思ってみる今日は      もう夜のとばり      写真の母がまた明日      笑顔を見せてくれるだろう      誰かが居ても      誰かが居なくても      なにも変わることはなく      一瞬一瞬が繰り返され      永遠として続いて行くだけ…
   分母 (2016.8.4)      今年も      年一回やって来る日が      例年通りに過ぎて      無事に分母がまた一つ増えた      年々一年経つのが      早く感じるようになるのは      分母が一つ増えていくからなんだとか      確かにね      五才児の一年は五分の一      ン十才にもなれば      ン十分の一でしかないからねェ      ほんとに一年の長さなんて      ちょっこししかないんだね      用心用心ご用心      来年はもっと短くなるからね      気がついたら      えっもう明日なんてことに      さてさてまた一年      充実した月日でありますように      祈るとしましょかねェ
   今日を振り返る (2016.7.28)      なにをどうしたらいいのやら      あちこちで地震が起きている      激しい雨も長く続き      テレビのニュースは      あってはならない大きな事件を      繰返し伝えている      過疎に悩む小さな村が      人口を増やす策をこうじたら      海外からの問合せが殺到したのだとか      結果がどうなったのか      そこまで報じたのかどうか      大きなことから小さなことまで      身近なことから遠いところの話まで      毎日ニュースの題材に      事欠くことはなく      なにをどうすればいいのやら      私はといえば      日々の目先の      小さな小さな目標を      クリアするのが精一杯で      今日も      ただ無事に終えたというだけで      こんなんで      いいのだろうかと      日常に埋没しそうな      いや      もうそうなってしまっている自分を      あまり深く反省することもなく      今日も湯船に      からだをしずめている
   そうかァ〜 (2016.7.21)      直感で動くこと      前進すること      深く考え過ぎないこと      諦めないこと      短所を短所と認めること      勇気を持つこと      助けを乞うこと      他人(ヒト)を信じること      自分をも信じること      仲間を大切にすること      世界を知ろうとすること      運命を受け入れること      ドリーが教えてくれたこと
   ちょこっとね (2016.7.14)      ちょこっと畑やってます      なす きゅうり ピーマン      ちょこっと採れました      ちょこっと何か作ってます      毎朝グリーンスムージー      桃缶使ったおやつのゼリー      レモンシロップ作ってレモネード      ちょこっと      ビーズで作ったアクセサリー      耳にも指にも      ちょこっとだけ着けてます      断捨離も      ちょこっとやらなきゃね      写真や紙類      ちょこっと気になってます      左半身ちょこっとだるくて      ちょこっとリハビリ通ってます      あれもこれも      ちょこっとね      何でもちょこっとくらいが      ちょうどいい感じです
   七夕の夜に (2016.7.7)      青いあのお空に      そっと夕暮れ訪れて      一つ二つお星さま      見上げるあの子の指先に      三つ四つお星さま      夕闇すすめば      五つ六つ      今夜は七夕      天の川はさんで二つ星      おり姫ひこ星逢えるかな      星空見上げてお願いしましょ      おり姫ひこ星逢えますように      あの子の小さな夢も 叶えられますように      今夜は七夕      みんなが星空見上げる日      みんなに笑顔がありますように
   思いつき (2016.6.30)      あっあれしようとか      おっこれはあれにいいかもとか      予定通りのことが大半だけど      そんな思いつきが時々やって来て      つい脱線      でもそれが      案外楽しかったりするものだから      気がついたらそんなことばっかりで      だから結局      しなきゃならないことは      ちっともはかどらなくて…      でも今日は      予定通りに予定通りのことが      無事終了したから      今からの夜の楽しみ      何かの「思いつき」さん      安心してやって来てくださいね
   これからも (2016.6.23)      あっ      今日 木曜日だった      この一週間を振り返ると      この一週間もまた      ハードだったよね…      いろんなことがめじろ押し      北や南へ奔走し      あれやこれやの予定を済ませ      想定外のアクシデントにも遭遇し      ほっこり穏やかな出来事も      何があったとしても      いいこともそうじゃないことも      これはきっと      誰かさんの      思い描いた青写真のとおり      月末まで後一週間      また      怒涛のように過ぎて行くのは分かってる      まァそれは想定内      そんなこんなのうちに      今年も半分終了      フレーフレー      だーれかさん!
   リンリンさんとルンルンさん (2016.6.16)      もう半月が過ぎたね      きっと元気に      どこかの空を飛んでいるよね      娘の知人が      どこかで拾って来たスズメの赤ちゃん      過去に育てた経験のある娘が託されて      連れて帰って来た      目はやっと開いたかどうか      羽根はまだ生え揃わず      しかも二羽だなんて…      多分きょうだい      同じ所で拾われたんだろうね      カイロを入れてタオルを敷いた箱の中で      二羽くっついて互いに温めあい      同じ境遇をそれなりに      受け入れているようだったね      せっせと練り餌を与え      フンの掃除      カイロの取り替え      お世話に余念がない      でも      いずれの時のために      愛情はかけるけど      あまり慣れさせ過ぎないように…      羽根がなんとか生え揃い      動きが活発になった頃      箱から大きめの鳥かごへお引っ越し      くちばしにまだ黄色は残るものの      自分で啄めるようになって      虫やご飯粒やパンくずや果物や野菜や…      そしていよいよ      鳥かごから出して      部屋の中を何度か飛ぶ練習      我が家へやって来て大方一ヶ月      獣医さんに成長の様子を確認してもらい      娘の仕事の都合や      数日間の空模様も考慮して      日にちの決定      いよいよその当日      部屋の中は何度か飛んだけど      大空はどんなだろうね      放す予定の場所へ行き      鳥かごを開けて…      恐る恐る出るのかなとか      ほんの少し先の地面に舞い降りるのかなとか      電線か数メートル先の      家の屋根に止まるのかなとか…      人の思いなんて      知ったことじゃなかったね      あっという間に高く舞い上がって      どこかへ飛んで      見えなくなった…      こんなに飛べるなんて      本人たちもびっくりだっただろうね      野生の力をしっかり持っていたんだね      過去に育てた子は      そうじゃなかったから      我が家の家族になったけど      今回は二羽だったし      元気が良すぎるくらいだったし      いろんな食べ物も経験したし      獣医さんのお墨付きも貰ったし      どこかで二羽一緒に      元気に過ごしていると信じているよ      餌やりの時に呼び掛けるために      名前をつけた      リンリンさんとルンルンさん
   運 (2016.6.9)      運がいいとか悪いとか      運なんて      あまり気にとめたこともないけれど      運には気ってものが付いていて      常に人の周りにあって      動いているものらしい      運がいいと喜んでみたり      運が悪いと嘆いてみたり      でも動いているのなら      それは      その時その一瞬だけのこと      赤ちゃんは      この世に生まれて来るときに      両手をぎゅっと握って      その手の中に      それぞれ      いい方も      そうじゃない方も      持って生まれて来ると      聞いたこともあるし      喜んでも      嘆いても      その量は      その人の人生の中に      同じだけある      ってことなんだろうね      良くても      そうじゃなくても      今日は今日一日だけ      もう少し      頑張ってみましょ
   飛行機雲 (2016.6.2)      どういう気象条件か      詳しいことは知らないけれど      飛行機雲が夕方の空に      六本ほぼ同じ方向に      平行して存在していた      一つはだんだん薄くなり      一つはだんだん広がり      一つは山へ向かい      一つは海へ向かい      一つは上の方へ      一つは下の方へ      六本の飛行機雲が      ほんの少し夕焼けの始まった空と      それぞれが自由に      戯れているかのようだった      ふと見上げた五月の      夕方の空だった
   夏野菜 七句 (2016.5.26)      ミニトマト三種並んで育ちをり      玉葱の百個競ひて玉ふとる      初茄子を想ひ水やり足しげく      フェンス脇きゅうりのつるの伸びてをり      カラス来てまだ青き枇杷くわえゆく      新じゃがをころころころと煮転がす      蕗煮るや遅き夕げの後のこと
   四国路(3月回想) 七句 (2016.5.19)      速吸の瀬戸ゆくフェリー春の夜      坊っちゃんも長閑に入るや道後の湯      瀬戸内のしまなみ海道春うらら      山笑ふロープウェイの眉山かな      踊る阿呆やっぱり見る阿呆阿波は春      春光の中の灯台室戸岬      桂浜龍馬眺むや永遠の春
   夏近し 七句 (2016.5.12)      日向路に五月の空の続きけり      日向灘海の青さや夏近し      野生馬も風も光るや都井岬      母馬と子の寄り添へる聖五月      御崎馬青草食みて夏隣り      桜島噴煙上ぐる五月闇      夏立つやグラスはロゼ色都農ワイン
   明日は金曜日 (2016.5.5)      もう5日だというのに      カレンダーが前月のままだった      前月も前々月も      いろんなことがあり過ぎた      今月も月明けから      非日常だったし      時間の感覚が      止まっていたのか      動いていたとしても      全然リズミカルじゃなかったからか      まるで把握ができていなかった      でも      それでもヨシとする      何かが有っても無くても      それを把握できていても      できていなくても      それでもヨシとする      だって      時間は確実に刻まれていて      今日の木曜日は      今日という1日は      なんということもなく      過ぎて行ったのだから      明日は金曜日      明日が何かの始まりの日      という訳では無いけれど      今日は木曜日      一応くぎりっぽい日だからね      明日は金曜日      また      明日からもがんばろう      と思える日なんだものね
   絶え間なく (2016.4.28)      何もしていないときでも      からだの中では血液がめぐり      あたまの中ではいろんな思いが      浮かんでは消えている      絶え間なく動いているもの      良くも悪くも      それらと付き合いながら      日々が過ぎていく      ずるずると引きずっているものがあっても      つぎつぎと生まれて来るものがあっても      それらを日常として      日々を送れていることは      とてもありがたいことなんだ      この絶え間ないと思っていることが      いつか突然      終わりを告げるときが来るのかもしれない      地面だって      思いもかけず動いてしまうし      風雨だって      予想もできないほど強いときがある      上と下      天と地      その間で      今日もやはり      絶え間なく動いている      からだの中でも      あたまの中でも      それぞれの思いを乗せて
   気づき (2016.4.21)      低気圧…雨が来る      磁気を帯びる…地震雲      病気はいやだな…薬の用意      何気ない言葉…気にしない      人の気質…千差万別      無邪気に笑う…ホッとするよね      景気の先行き…なるようになる、かな      換気をしよう…深呼吸      気分転換…心に栄養補給      こんなときに      いろんな気づきを      ありがとう      元気を出さなくちゃぁね
   心身共に (2016.4.14)      混線や断線の修復は必要だったけど      一応      頭では理解し      感情面では自分自身で抑制し      なんとか      やり過ごそうと思った嵐だったけど      そうはいかなかった      身体が悲鳴を上げていた      打ち付けられた痛手は      自分で思ったよりも      かなり大きかったらしい      仕事や家事      食べることさえも      …万事休す      となるはずだった      が      なんとかそれは回避できたっぽい      今日の青空に免じて      もう許そうと思う      自分の度量の狭さも含めて      人には人の      立ち位置や      それぞれの思いなど…      大きな器が必要なんだ      今日の青空は      全てを包み込んでくれているようだから      この大空のもとで生きていこう      心身共に      できることなら健やかに
   終わり良ければ… (2016.4.7)      吹き荒れていた嵐が      少し過ぎ去ろうとしているのかも知れない      先はまだ全然見えては来ないんだけど      日々いろんなことに揉まれていると      雨や風の強さなんて      気にもしてられないってことも      結構あったりして      嵐が過ぎるのを待つより      自分の方から一気に走って      その中を通り抜けた方が良かったのかも      なんてこともあるけど      今回は自分だけじゃどうしようもなかったから      状況を見てた      やっぱり      少しずつは動いていたんだね      嵐は嵐      日常は日常      状況を見つつ      やるべきことをやっていれば      時間はちゃんと過ぎて行ってくれる      それを嵐と思うかどうかも      自分次第ってことも      ちょっと気づかされた      良かったか      悪かったか      結論はまだ先      って      結論なんて求めて無いんだけどね      まだまだ      生きてかなくちゃならないし…      それは      全てが終了する時のこと      終わり良ければ全て良しって      なっていってくれればいいよね
   なんとかなるさ (2016.3.31)      頭の中の混線や断線を      ひとつずつ      修復したり…      解除したり…      そうだねとつぶやいたり      うんうん分かるよとなぐさめたり      そうかなァと疑問符を浮かべてみたり      誰も入って来ない頭の中を      自分自身で      時には寄り添い      時には叱咤し      誰にも分かって貰えなくても      自分だけはいつだって味方      私には私がついている      大丈夫      今までだって      今からだって      なんとかなるさ
   いつかは (2016.3.24)      嵐が吹き荒れて      投げ飛ばされ      叩きつけられ      蹴りあげられ      突き落とされ      これ以上は無いというくらいの      悲しみや辛さが      何度も何度も押し寄せる      でもその中で      何度も何度も考える      たとえ      木の葉のような存在だとしても      たとえ      受け入れ難い状況だとしても      それが      与えられている今の状況なんだと      ただじっと      空を仰いで時が過ぎるのを待つ      いつかは      嵐もおさまる      黒い雲間から      わずかな光りも現れるかもしれないし      たとえ      夢も希望もないと思えるような      世界だとしても      まだまだ      自分で自分を      見捨ててはいけない      いつかは来るであろう      次の瞬間を      じっと      信じて待ちたいと思っている
   朝のルーティーン (2016.3.17)      朝起きて      服に着替えて階下に降り      カーテンを開けて歯磨き洗顔      キッチンに行って湯を沸かす      実家へのドアを開け      仏間のカーテン電気      両親の写真へ朝の挨拶      仏壇のお茶ご飯花の水替え      線香を上げ手を合わす      ドアは開けたまま      自宅のキッチンに戻り      一杯のカフェオレまたは具だくさんのスープ      そこで一段落かな      開けたままのドアから実家へUターン      線香の終了を確認して      それから      整理片付け断捨離の始まり始まり      さあ今日はどこをしよう      気力体力時間どれも不十分だから      毎日ほんの少しずつだけど      毎朝のルーティーンに取り入れたことで      最初の頃の週末だけにというより      ストレスは少ない気がする      まぁこれも今のところ      ってことではあるんだけど
   それでいい (2016.3.10)      超特急でどこかへ      行ってしまった人たちは      更にスピードアップして      ホントにどこかへ      行ってしまったらしい      せめて心だけでも      こちらに向けててくれればと      思っていたけれど      悪魔のささやきにでも      負けてしまったと見えて      ここではないどこか違う次元から      こちらを見ている      私は      じっと動かずにここ居る      超特急にも超超特急にも      乗れなかったし      今さら乗る気もないし      今からだってずっとここに居る      動かないものには      動かないものの強さがある      それでいいと      思っているよ
   言 葉 (2016.3.3)      人はいつも      心の中であれこれ思ってみたり      頭の中であれこれ考えてみたり      誰かに向けて発するため      というのももちろんあるけれど      そうじゃなくて      自分一人のときでも      自分のためだけでも      あれこれ言葉を並べている      堂々巡りや      行きつ戻りつや      前に進めないことの方が多いけれど      それでもやはり      その中から何か一つでも      何かにつながって      単語が文になり      何かを表すために使えるものになる      …ボツになることの方が多いかな      人は無意識の内にも      一日に何千何万もの言葉を      思い浮かべてるらしいからね      今日もあれこれ      言葉遊び…だね
   どっちつかず (2016.2.25)      右と左のあいだ      上と下のあいだ      明と暗のあいだ      今もいろんなあいだを      行ったり来たりしながら      日々を過ごしている      でも以前と違うのは      自分でもそれでいいと思っている      ということ      季節      できごと      感情…      すべてが移り変わって行く      その中にあって      やっぱり      ゆらーんゆらーんと      行ったり来たり      そんなどっちつかずな状況を      案外      心地いいと思っていたりして…
   普通って… (2016.2.18)      普通は○○だよね      普通だったら△△なんてことしないよね      普通に□□なんだからさァ      普通って…      普通って…      置かれた状況とか      好みだったりとか      どこがラインなんて決まってないし      人それぞれだしね      今日も明日も明後日も      日々粛々と      やるべきことをやりましょうかね      それが普通のことかどうかは      別にして      ごくごく普通の顔してね
   大丈夫? (2016.2.11)      計算間違い      ATMの操作ミス      荷物の置き忘れ      電気のつけっぱなし      大切な用件の確認もれ      まだいろいろあった      ここ数日でのこと      片手じゃ足りない      もう少し周りをよく見なくちゃね      何か忘れてないかな      これでいいのかなって      よーく自分と      自分のしてることを観察しよう      そしてちゃんと確認をお忘れなく      大丈夫よね      わたし…
   時間とエネルギーと自分に喝! (2016.2.4)      誰かが何かを作っているのを見ると      ついついいいなァ〜と思って      何かを作りたくなってしまうけど      でも      何かを作ると      その何かが増えてしまうので…      今は      物を減らさなきゃいけない時だから      何かを作りたいという欲求は      ぐっと押さえて      その時間とエネルギーを      片付け断捨離のために使う      まるっと一軒分      結構あるぞ      へこたれるな      自分に喝!
   リアルタイム (2016.1.28)      過去に溜め込んで来た      膨大な物たちと      向き合わなくてはならない      それらの物たちを前にしたとき      心が見るのは      それらの物たちが活躍していた過去なのか      片付けようとしている今なのか…      まだそんなに      片付け始めたと言えるほどではないので      片付けなくちゃならないという      過去に捕らわれた心持ちの方が      大きい気がする      どのくらい掛かるか解らないけど      片付け終わったときに      やっと      目の前に広がって来るのが      今というときなのではないか      そんな気がしている      リアルタイムを生きる      案外難しいものだ      食べたりお風呂に入ったり      眠ったり      身体はいつだって      現在にあるのだけれど…
   希望らしきもの U (2016.1.21)      希望らしきものでも      持てればなァと思ったけれど      そもそも      希望って何なの?      希望を持つってどういうことなの?      希望とは      一般的には      望ましいものを      獲得しようとする期待を伴った欲求      あるいは      その獲得や出現の期待そのものを意味する      (コトバンク)…とあった      希望を持つということは      心理学の有名なプロの言葉に      自動的に起きてくることではなく      それを「選ぶ」ことである…      根拠のない夢に基づいているのではなく      背景に冷静な計算や判断がある…      物事は「変えうる」という基本的な      勇気のある行為である…      少し難しいけどそんなことが書かれていた      そうか…      誰かに期待をするとか      何かを得ようとする欲求を持つとか選ぶとか      冷静な計算や判断や勇気など      ずいぶん前に      手放したり投げ出したり…      したものばかりだった      ただ与えられたものを      素直に受け取り      その道だけをまっすぐに歩いて来た      ただそれだけの      人生だった気がする      それでもやはり      迷ったり悩んだりは生じる      まっすぐだと思った道にも      曲がり角やでこぼこはあったから      で      その道を歩きながら      目指しているのが      希望って場所なんじゃないかと思う      私にとっては      持つものではなくて      行き着く場所      だから      あえていうなら      そこへ行き着くこと      それが      私にとっての希望らしきもの      なのかもしれない      あくまでも      今の私にとってはだけど
   希望らしきもの (2016.1.14)      100才を越えた医者と      100才を越えた女流芸術家が      対談をしていた      どちらもカクシャクとしていて      話に聞き入ってしまった      片方は生かされていることに感謝だと言い      片方は流れに乗って      自由に生きて来たと言う      生かされたにしろ      自力で生きて来たにしろ      お二方とも      やりたいことをやって      現役続行中      聴く力と発信力とで      視聴者を引き入れる      大切なのは      希望を持つこと      十年先も二十年先も      まだまだ      希望を持ち続けて      意志を貫いて      いらっしゃるのかも      お手本にするには      輝き過ぎているけれど      せめて      希望らしきものでも持ちたいなァと      思わずにはいられなかった      一夜だった
   新年七句 (2016.1.7)      去年今年すずめの声に変わり無く      ガラケーの日付は何処へ今朝の春      住む人の無き窓辺にも初日差す      母の味受け継ぎしかな雑煮煮る      初詣控えて墓前に手を合わす      初春に希望はありや空仰ぐ      誕生日一月二日母は居ず