木曜日の風のいろ6

 10年ほど前、心が折れそうになることがあって、、、逃げ出したい、、、抜け出したい、、、
 でも、それ以前に、なぜ自分がここに居るのか、なぜこういう状況に直面しなきゃいけないのか、
 自分を納得させるために、自分に問いかけ、向き合わざるを得ませんでした。
 そんな暗中模索の中、自然発生的に生まれ出てきた言葉たちです。
 今もまだ、完全に吹っ切れた訳ではないのですが、、、、今日は今日の風が吹いています。
 九州の空の下より風に乗せてメールを送ります。
 お読み頂けたら幸いです。  (はるか)




   呼 吸 (2015.12.31)      何が書きたいのか      書きたいと思うことを      思い浮かべてみる      そして      思い浮かべたことを      組み立てて      並べてみる      そうやって行く内に      だんだん      何が書きたかったのか      自分にも      おぼろげに見えて来る      日々      考えている訳ではないけど      なんとなく      心の片隅に止めているのだろう      アンテナに引っ掛かりそうなことを      ずっとそうやって      もう何年      書きたいことを書かないと      息が吐き出せない気がするから      そして      新たに吸うためには      やっぱり      出すことが必要なんだ      呼吸      息を吸うこと吐くこと      忘れないように      続けて行かなければ
   これからも (2015.12.24)      今までの人生の中で      辛かったことや      悲しかったことを      一つ一つ      思い起こしてみる      今までの人生の中で      嬉しかったことや      楽しかったことを      一つ一つ      思い浮かべてみる      そうやって      一つ一つに      スポットライトを当ててみる      大きく光り輝くものや      小さな淡い光りのものや      いろんな光りがあることに      気がつくよ      そうか…      そうだったね…      いいことや      そうじゃないことも      思い出して      光りを当てることで      ちゃんと      成就して      昇華して      まるで      手を振るようにして      通り過ぎて      行ってしまうんだね      一つ一つが      人生を彩ってくれて      いたんだね      これからも      まだまだ      きっと      いろんなことが      用意されているんだろうね      一つ一つ      味わって      噛み締めて      飲み込んで      消化して      礎にして      進んで行ける      そんな気がしているよ
   空 間 (2015.12.18)      住む人の居なくなった家には      広々とし過ぎるほどの      空間がある      線香を上げ      花やお茶を供え      毎朝      その空間と対峙している      うーん      どうしたものか      これからのことを      毎朝      考える      そして      考えるだけで      終わってしまっている      まだまだ      しょうがないか…      私には      もっと月日が必要なんだろう      もうしばらくは      この空間を      眺めるしかないと思う      そして      そのうち      身体の方が動き出すと      自分に期待したい      空間は      冷たくもあり      暖かくもあり      厳しくもあり      優しくもある      上から見守っているかのような      父母の写真      この空間を眺める時間をも      大切にしたいと      今はまだ      そう思っている
   タイミング (2015.12.10)      何かことが起こるのって      タイミングっていうのが      決まっているのかな      もちろん      グッドタイミングっていうのも      あるんだろうけど      どちらかっていうと      なんでこのタイミングなのよ      って言いたくなることの方が      多い気がするよ      落ち込んで      落ち込んで      落ち込んで      そんな状況だから      そういうタイミングを      引き寄せてしまっているのかな      少し顔を上げて      前を向かなくちゃね      グッドタイミングってものに      出会えるようにね
   心の中 (2015.12.3)      心に届く言葉とか      心に響く音楽とか      心に残る思い出とか      心の中には何が入っているのかな      優しくなれるような      暖かいものがいいな      自分の心の中だって      よく分からないのに      他人(ひと)の心の中なんて      なおさら分からない      人それぞれなんだろうね      心を痛めるとか      心が咎めるとか      心で詫びるとか      もしかしたら      そんな思いも入っているのかな      推し量るのさえ難しいよね      お互い      試したのかな      試されたのかな      心の中から      どんな言葉が出てくるのかを
   準備期間 (2015.11.26)      この心の中のぽっかりを      どうしよう      2年前くらいから      覚悟はさせられていて      今年の春からは更に…      長かったようでもあり      短かったようでもあり      この期間は      きっと      心の準備期間として      与えて貰ったものだった      んだろうね      でもやっぱり      来る時が来てしまえば      それは      あまりにも      あっけなくて      もしかしたら      その      準備期間は準備期間として      そのままずっと      続くんじゃないか      なんて      思ったりもしてたからね      現実味も      緊張感も      あんまりなくて      結構平穏に過ぎてたからね      でもいくら      心の準備をしてても      来る時は突然なんだね      ぷつんと      途切れてしまった感じ      何かに置き換えるなんてできないしね      この心のぽっかりを      どうしよう      とうとう      準備期間が      終わってしまった…
   母へのうた五つ V (2015.11.19)      そこここに母の匂ひのものありて      ただ眺めつつ時は過ぎ行く      母宛ての手紙のありし引き出しを      まだそのままにまた閉めてをり      手作りのパッチワークのそれぞれに      ひと針ごとの母の想ひや      母親を見失ひし迷ひ子の      途方に暮るる心にも似て      山向こう西方浄土のあるといふ      夕焼けの空今日も眺めむ
   母へのうた五つ U (2015.11.12)      自生せし畑の小菊摘みて来ぬ      彩り添へし祭壇の花      祭壇の花の水替えようやくの      日課慣れしや四七日過ぎて      祖母にお茶入れて貰ひしおやつどき      孫は供へし懐かしき菓子      七日ごと経を聞きをりこの部屋の      どこぞに居るや母の魂      普段着のままの写真の微笑みて      いつもの母のすぐそこにをり
   母へのうた五つ (2015.11.5)      息するを忘れて母の眠りをり      呼べど戻らず永遠(とわ)の眠りへ      紅葉の始まりし丘のぼりゆく      高き御空へ母のぼり逝く      母の着し最期のねまき洗いをり      干し場に秋の風と陽揺るる      来春の球根植えし秋の庭      母は居ずとも日は巡り来む      球根を植えし背中に秋の陽の      優しき温もり母の居るごと
   高い空から (2015.10.29)      だんだん秋が      深まっていくね      たった2週間前のことなのに      ずいぶん前のできごとのような      気がするよ      一昨日だけ      雨が来たけど      後はずっとお天気      高い空が      ますます高くなっていくよ      高い空をどんどん抜けて      抜けて抜けて…      宇宙なんだね      お空の星に      なっちゃったんだね      星がいっぱいあり過ぎて      どれだかわかんないよ      でも      まあ いいや      みんなで見守っていて下さいね      地上の      迷える子羊たちを
   高い空へ (2015.10.22)      ずうっと      秋の晴天が続いていて      その日も      この上もない      上天気だった      小高い丘へと      続くその道沿いの木々には      少しずつ紅葉が始まっていた      この道を通るのは      二回め      前回はもう二十年近くも前のこと      沿道は菜の花だった      二人とも      いい季節に恵まれたんだね      呼ばれるその時が来るまで      遠くの海と      高い空を見ていた      あの      高い空へ空へと      昇って行ってる最中なんだね      まだ温かさの残る      お骨を入れた箱を抱いて      車に乗った      ゆっくりゆっくり      坂を下って      私は下界へと      降りて行った
   変 遷 (2015.10.8)      うちの隣に空き地があって…      私が子供の頃は      田んぼだった      地主のおじさんが      牛を引いてやって来て…      私は稲刈りの終わった田んぼで遊ぶのが      楽しかった      いつの間にか      おじさんも牛もいなくなって      田んぼは畑になった      何人もの人が小分けで借りて      それぞれに菜園にしていた      いつの間にか      その人たちもいなくなって      畑は駐車場になった      15、6台分くらいの広さはあるけど      5、6台くらいが      出たり入ったりしていた      いつの間にか      駐車場はただの空き地になって      持ち主が二転三転し      先月から      どこかの不動産屋が      建売住宅を建て始めた      二軒同時進行      うちを建てたとき      私はここじゃない所に      住んでたから      毎日のように      進行状況を確認することはなかったけど      今はここにいるから      隣人として      毎日のように眺めてる      家ってこういうふうに      建っていくんだね      牛を引いてたおじさんは      家が建つなんてこと      予想もしなかっただろうし      うちの母も      どんな人が      越して来るのかなんて      知ることもない      今朝      病院から一本の電話      明日      お医者さんから      どんな話があるのか      聞いて来なければ…
   消 費 (2015.10.1)      仕事して      ご飯の用意して      洗濯物たたんで      時間を消費する      スーパーで買い物して      友達とランチして      コンビニ寄って      お金を消費する      掃除機かけて      階段の上がり下りして      畑の草取りして      体力を消費する      手足を動かして      呼吸をして      血液巡らせて      肉体を消費する      経済活動の      基軸をなす生産は      最終的には      消費を目的としている      といえる(コトバンク)      なんだって      生きてるってこと自体      命を消費している      ってことなんだろうね
   木 槿 (2015.9.24)      毎朝      庭先の掃除をする      前の道に面した木槿が      いくつもの咲き終わった花を      散らせている      たった一日の命      人間の何十年もの長さに      比べれば      あまりにも短く      はかないけれど      その一つの花にしてみれば      花芽の時から      少しずつふくらみ      それなりの時間を費やし      精一杯咲き誇って      散っていく      今朝は      昨夜の雨に打たれて      いつもよりかなり多かった      いくつもの終わった命      また明日      そしてまた明日      次のシーズンへと      その命は受け継がれていく      木槿は      雨よりも      爽やかな青空の方が似合っている      今年の時季もあと少し      明日は晴れるだろうか
   次の何か (2015.9.17)      いつも何かしら      ごそごそしていて…      畑で採れた野菜で      日々のおかず以外にも      オイル漬けやソースや      干し野菜など      庭のものからは      石蕗ぶきの佃煮や梅酒      ドクダミのお茶や化粧水      蔓を使ったリースなど      着なくなった服をリメイクしては      エプロンやちょっとそこまでの      バッグやポーチなどを      何でもいい      何かしら手を動かしていたい      それはきっと      ボーッとした時間を      過ごすことが怖いから      いつも      ごそごそしては      次の何かを      考えている
   赤とんぼ (2015.9.10)      病床の母を見舞った帰り道      車の中で      いろんな思いが交錯する      血の巡りの悪くなった手足を      さすった冷たさの残る手で      ハンドルを握る      返事は無くとも声をかけ      視線は合わずとも笑顔を向ける      だんだん少なくなって行く母との時間を      大切にしたいと思う      近づいた信号のため      速度を緩めたら      フロントガラスの前を      ツーと      一匹の赤とんぼが横切った      まだまだ顔晴(頑張)ってね      と言ってくれているようだった
   立ち話 (2015.9.3)      私らしくありたい…とか      私らしく生きたい…とか      思ってきたけど      私らしい…って      どんなふう?      私がしたいと思ったことをしたら      私らしいんだろうか      私がしたくないと思ったことをしたら      私らしくないんだろうか      らしくあろうが      らしくなかろうが      私は私      らしくはやめる      このトシにして      やっとの思い      偶然出会った同級生との立ち話      今からの時間を      大事にしよう…だった      私は私を      生きていこう      どんな私でも      良しとして
   鍋の関係 (2015.8.27)      使い慣れた行平鍋の柄が      取れそうになっていた      今までにも何度か      接着剤やネジで補強をしては      使い続けてきたが      今回ばかりは…      夫は買い替えを勧めるけれど      永年愛用してきた私には      簡単には捨てられない      本体も柄も      どちらも悪くない…      取れそうになってるところを      思い切って取ってしまった      そしてもう      くっつけないことにした      本体は本体      柄は柄      別々になっても      差し込み式だから      また合わせることはできる      必要な時だけ      力を出し合い      助け合い      支え合い      本来の役目が果たせれば      いいのでは      永年同じ職場で働き      オフの時間は自由に過ごす      私たちに似て      案外いい関係かもしれない      ひと仕事して洗い終えた本体は      洗いかごへ      柄はひと足お先に我が家(収納場所)へ      帰ってますね      この関係      結構      お気に入りかもです
   初秋七句 (2015.8.20)      阿蘇五岳煙鎮めし初秋かな      新涼に牛放たるる阿蘇の原      草千里馬悠然として秋の中      秋風に波立てており草千里      新涼を映す露天の湯に浸る      黒川の寝湯に浸るや夕涼し      秋夕焼け背に受くるかな高速道
   和 (2015.8.13)      平和 調和 均衡      とけあったさま      やわらいださま      異なるものを混ぜ合わせ      馴染ませること      まるくまとまった状態      なごむ      ちょっと調べてみると      いろいろ出てくる      ひとつひとつ      そうだよねと頷きたくなる      漢字の中で一番好きな字      心の中もこうありたいと思う      数学的には加法      プラスすること      プラス思考でいきたいなァ      そして      日本のこと      心と手を携えて      前を向いて      歩いて行けたらいいなと思う      日本に生まれて良かったなと      みなが思えるように      そんな国であり続けて欲しいと      願わずにはいられない
   生まれて来た日 (2015.8.6)      今現在      この世界に      72億の人がいる      72億人それぞれに      産んでくれた人がいて      生まれて来た日があって      今のこの世の中に      生きている      この地球があって      今の時代があって      産んでくれた人がいて      今ここに      生きている      生まれて来た意味なんて      生きている意味なんて      もう考えない      生まれて来ただけで      生きているだけて      きっと      しあわせなんだから      今年もその日が      無事過ぎていった      それだけで      感謝です
   悲しみ (2015.7.30)      テレビに映ってた幼子が      大きな声で泣いていた      眠くてご機嫌斜めだったのか      兄弟げんかだったのか      母親は      泣きたいなら廊下で泣きなさい      と部屋の戸を閉めた      幼子は泣き続けたが      しばらくすると      自分で戸を開け      部屋に入って来た      母親は頭を撫で      温かく迎え入れた      幼子の泣くだけ泣いた後の      すっきりした顔が      印象的だった      芥川賞をとった芸人が      書く原動力になってるものは      何かと問われ      悲しみだ      と答えていた      悲しみをかかえているのに      平気で食べたり笑ったり …      飯なんか食うなもっと痩せろや…と      悲しかったら      思いきり泣くのか      シュールな笑いにするのか      自分を表現できるのなら      どちらも有りだろう      でも      きっと      泣いても笑っても      悲しみは      無くならない      悲しみは      いつだって      心の底に溜まってる      澱のようなものだと      思うから
   野菜たち (2015.7.23)      畑やってみない?      知人からのお誘い      初めは畳2枚分くらい      今は6畳間2つ分くらい      この3、4年の間に      育てた野菜たちは      トマト なす カボチャ      キャベツ レタス おくら      ピーマン 人参 玉葱      ジャガ芋 里芋 さつま芋      そら豆 枝豆 えんどう豆      ねぎ 春菊 大葉      パセリ バジル クレソンetc…      あんな野菜こんな野菜を      日曜菜園で      ぼちぼちっと      あまり手をかけないので      おおらかに      育てたというよりも      育ってくれた      なんだか      生き方に似ているかも      私も結構      ほったらかされてるのが      いいみたい      雨や太陽は      自分で吸収して      与えられた場所で      元気に過ごす      野菜たちに      助けてもらって      この夏も      がんばって      乗り切っていきまっしょ
   やさしさのかけら (2015.7.16)      植物や      動物や      まわりの人やもの      たとえ      ペン1本でも      グラス1つでも      慈しむ気持ちだと思う      やさしさって      自分のものを守るために      武器を持つとか      平和のために      戦うとか      なんか違うと思う      そういうの決めるのって      どこから来る気持ちなんだろう      その出どころを知りたい      そこには      やさしさはないの?      それを決める人って      やさしさのかけらも      持ち合わせてないの?      奪い合えば足りないけど      分け合えば足りるって      ことばもあるし      やさしさのかけら      持ち寄ろうよ      かけらを集めて      心を満たそうよ      きっと      足りないものなんてないよ
   焦り (2015.7.9)            いつも何かをしながら      何かをしている気がして      それって      時間の有効活用なようにはあるけど      どこか      心ここにあらず       な気もして      同時に二つするのは      やはり      無理な話なんだよね      ならば      より充実感を得られるように      一つ一つと      ちゃんと      向き合わなければね      残りの時間が少なくなって来ると      あれもこれもって      多少の気の焦りも      仕方ないとは思うけど      何が大事なのかを      ぼつぼつ考えていかなければね
   ながら (2015.7.2)      音楽を聴きながら      指でリズムをとっている      テレビを見ながら      お茶を飲んでいる      仕事をしながら      ネットもチェックしている      母をしながら      娘もしている      空を憂いながら      言葉が降りて来るのを待っている
   おかあさん (2015.6.25)      夫と一緒になって      三十数年      おかあさんと親娘になって      三十数年      ポンポンものも言うけど      おおらかで      つらいことなんて      何も無かったし      晩年近くになって      初めての半同居生活      二人して      それぞれの夫のグチを言い合ったり      いろんな話もしましたね      買い物や      眼科歯科などの      病院のお供もしたし      足掛け三年ほどだったけど      思いもかけず      いい思い出になり      よかったです      おかあさんは      どうでしたか      わたしは      いい娘だったでしょうか      わたしは      おかあさんの娘になれて      よかったです      あなたが逝って      やっとなんとか      一年が経ちました
   感 情 (2015.6.18)      感情って      空中に浮遊してるものらしい      それがなんのはずみか      ヒョイっとやって来て      嬉しいとか      楽しいとか      はたまた      こんなのキラーイとか      あんなのイヤだァとか      訪れては去って行く      一時的なもの      だから      つかまえたとしても      つかまえられたとしても      ずっと浸ってなくてもいい訳で…      常に新鮮な空気のように      入れ換えをして      心の中の      風通しを      よくしておきたいなァ
   ここにいるよ (2015.6.11)      なるべく      心を鎮めて      日々のいろんなできごとに      右往左往しないように      一喜一憂しないように      淡々と…を      心がけるようにしている      つもりなんだけど      なかなか      問屋がそうは卸してくれない      厳しいなァ      難しいなァ      いやァ      笑っていいと思うよ      泣いていいと思うよ      怒っていいと思うよ      心の奥で      そんな声も      聞こえてはいるんだけど      やっぱりね      鍛練はしといた方がいいかなァと思って      ざぶーんと      大波が来てもね      倒されたとしても      流されたとしても      私はここよ      って言える      私でいたいなァ      と思ってね      今      すごーく不安だから      どれくらいか分からないけど      先の方にいる私に      ちゃんと立ってる?      って聞いてみたいなァ
   折りあい (2015.6.4)      右と左のあいだ      上と下のあいだ      明と暗のあいだ      いろんなあいだがあるけれど      そのどちら側だけで      っていう訳にはいかず      行ったり来たりの      日々を送りつつ      その中の      真ん中辺りで一息ついては      右へ寄り左へ寄り      上を目指しては下へ降り      明るくとも暗くとも      感情はあまり出さず      折りあいの付けどころを      探している
   行ったり来たり (2015.5.28)      ありきたりな      平凡な生活が続いていると      刺激が欲しくなり      非日常が続いてくると      それはそれで耐え難く      平穏な生活が恋しくなる      今は      …どっちだろう      振り幅が大き過ぎる気は      するけれど      逃げ出したいとも思わないし      抜け出そうとも思わない      あまんじて      その両方を受け入れ      なおかつ      淡々と      あっちとこっちを      行ったり来たりしている      そうやって      自分の中に      弱さがあることも      強さがあることも      同時に      無意識のうちにも      受け入れていってるのだろう
   五月の空 (2015.5.21)      空って      広かったんだね      もちろん      広いってことは      知ってたんだけどね      今日      つくづく思ったょ      空が広い      そして青い      いかにも      五月の空      だなぁって      気がついてても      気がついてないふり      してることが多いのかな      心が      ずうっと前より      少しは      広くなったってことかなぁ
   ないがまま (2015.5.14)      A型とO型との間の      かなりO型寄りの      一応A型なんだけど      几帳面なんてことは      全然なくて      よく言えばおおらか      言い方を変えればおおざっぱ      でもこれが      結構気に入ってて      いいんじゃないのなんて      思ってはいるんだけど      適当はテキトーだけど      上手く当てはまるとか      ほど良いでもあって      いい加減はイーカゲンだけど      良い加減とか      ほど良いでもあって      何が      どれが      上手く言い表せているのかななんて      ちょっと考えてみたけれど      結局は      おおざっぱだけれども      ほど良くは      生きれているのかな      あるがままでも      ないがままでも      どちらでもOKってことで      これからも      大っきなものに      見守られながら      生きて行きたいと      思います
   られてる (2015.5.7)      気がついていないだけで      多分      いっぱいあるんだ      誰かが居て      誰かに何かをしている      誰も居なくたって      何かがそこにある      だから      それに      気がつきたい      それを      感じたい      ほんとは      確かめたい      …なんだけど      それは      確かめるようなものではなくて      ただそこにある      認められてる      受け入れられてる      支えられてる      気がつかなくたっていい      感じなくたっていい      確認できなくたっていい      私は      大きな      何かに      ちゃんと      見守られてる      のだから
   見守るということ (2015.4.30)      自分のことだってそうなのだけど      思うようにいかないとき      ついああしようか      こうしようか      どうしようか      思いを巡らせてしまう      人のことだとなおさら      どうしようもないことなんだから      人それぞれなんだから      進むも戻るも      行くも帰るも      生きるも死ぬも      その時々の      風まかせ      神まかせ      何も心配しなくていいよ      大丈夫よ      なるようにはなるんだから      ただ寝ているだけの      目を閉じてるだけの      母が      黙って      教えてくれている
   温かい時間 (2015.4.23)      病室のベッドで      上を向いて寝ているだけの      母の顔をそっと拭う      喉にからんだ痰を吸引するとき      苦しい思いをするのか      いつも目の端に涙をにじませている      病室を訪れたとき      その乾いた後をそっと拭う      そして髪をとかす      おしゃれ好きな母が喜ぶかなと      おでこや頬に      香りの良い手作りの      かぼすローションをつける      今の私にできることは      それくらいのことしかないから      気持ちよくなったねと言って      頷いてくれると私も嬉しい      私は思うんだ      母の世話をして      母のそばに居て      時を共に過ごす      私はこうして居たかったんだと      だから今      私はここに居るんだ      迷いに迷った迷路は      とてもくねくねしていて      一筋縄ではいかなかったけれど      こたえは案外単純なことだった      ここに居たかったから居た      やっぱりそれだけだったんだと      母の顔をそっと拭っているとき      流れている時間は      とても温かい      この時間を      もう少し      続けさせてください
   おまかせ (2015.4.16)      何かをしようとするとき      大丈夫かなァ…とか      失敗するかも…とか      不安な気持ちがあると      ホントに      うまくいかないような気がする      何も考えていなかったり      リラックスした状態だったり      信じてるよォって気持ちを      伝えることができたりしたときは      よしよしって      胸を撫で下ろせる結果が      得られるような      そんな気がするんだよね      なんなんだろうね      自然の流れに      おまかせ?      なるようにはなる      ってことなんだね      これからも      流れを信じて      おまかせ      おまかせ
   白 (2015.4.9)      ここは      どこまでも続く平原なんだろうか      ふわふわと      雲の上を歩くような感覚もある      目的地が      見えている訳でもないけれど      それでいいんだと      思っている      なぜなら      まだ見ぬ先に      光りがあることが分かったから      黄色い粒子や      緑色の帯状のものや      赤いスポットライトのような光りが      ゆらゆら揺らめきながら      全てのものを包んでいる      白は      更にその先にある      もっとまぶしい光りなんだ      その光りがあることが      それが分かったから      歩いて行ける      いつかたどり着くであろう      白い光りの世界      命の根源へと      私は歩いているんだ
   感謝すること (2015.4.2)      生んでくれた人がいること      連れ添う人がいること      かけがえのない子供たちがいること      心癒してくれる愛犬がいること      住むところがあること      食べるものがあること      ほどほどの着るものがあること      話し合える友がいること      たまには一緒に飲めること      山の緑がきれいなこと      川が流れていること      白さぎがえさをついばんでいること      野の花が風に揺れていること      見上げれば空があること      星が瞬いていること      お日様の光りがあること      今ここにいること      今ここに生きていること
   出 発 (2015.3.26)      どこかに行こう      そして何かしよう      じっとうちに居るだけじゃぁね…      出て行かなくちゃぁね…      今まで      窓を閉ざしていた      その窓を      やっと開けようと思えるようになった      でも      その窓から      外を眺めてるだけじゃぁね…      道行く人や車や      空飛ぶ鳥を      眺めてるだけじゃぁね…      今度は      扉を開けて      出て行かなくちゃぁね      出て行く人にならなくちゃぁね      外は      こんなに明るいんだものね      こんなに広いんだものね      すっかり春なんだものね
   旅 気 分 (2015.3.19)      頭の中に地図広げ      いろんなパンフレットも用意して      さあ      どこかに出かけて行きましょう      飛行機乗って見知らぬ国へ      小さな窓から      空の色      流れる雲を      眺めているよ      眼下には      山も海も見おろせる      列車の窓には      見知らぬ街の      見知らぬ風景      見知らぬトンネル抜けてくよ      停まった駅には      人のざわめき      小さな町のバスの旅      見知らぬ町は港町      窓から入る潮風に      船の音も聞こえて来るよ      歩いてみましょ自分の町を      ひと筋違えば      見知らぬ家並      見知らぬ窓に      レースのカーテン揺れてるよ      ほらほらすぐそこ      旅気分
   ど う ぞ (2015.3.12)      少し片付けよう      机の上も引き出しも      あの戸棚も      部屋の中も      カーテンを洗おう      窓ガラスを拭こう      春が来ている      春が来ている      春を受け入れよう      心の中の      埃も払おう      さあ      窓を開けて      扉を開けて      春に      「どうぞ」と言おう
   春 が (2015.3.5)      まるで春の陽ざし      そう      本当に春      本当に春が      近づいているのかも      しれない      今まで      春を嫌っていた      ただ巡り来るだけで      「春」にはなんの罪もないのに      春の陽ざしが      私にはまぶしすぎた      心の扉をほんの少し      開けてみようとしただけでも      そのすき間を押し広げるように      入って来ようとする      その暖かさが      許せなかった      その暖かさに      耐えられなかった      だから      少し開けてみようとした扉を      また閉めてしまっていた      でも      今      心の奥で      ほんの少しなら      開けてもいいよって      言ってる声が聞こえる      聞こえるような      気がする      だけなんだけどね
   しあわせはいろいろ (2015.2.26)      おいしいものを食べれば      アァしあわせ      温泉にゆったり浸かれば      アァしあわせ      きれいな景色を眺めて      アァしあわせ      いい音楽を聴いて      …      小鳥の声を聴いて      …      かわいい花も…      お天気が良いだけでも…      健康で…      仕事があって…      家族が居て…      友人が居て…      人が求めるものって      しあわせな自分      そして      それは      すぐそこ      いろいろなしあわせ      それに気付きさえすればね      しあわせな自分は      すぐそこに
   俯瞰(想像) (2015.2.19)      私が死んだ      私が死んだ      私が死んだ      私の亡きがらは      胸をふるわせている      私の亡きがらは      手を宙に差し延べている      何を見たかったのか      何を悲しんでいたのか      何を掴もうとしていたのか      今の私には分からない      今の私にも分からない      今の私にさえ分からない      昇華した魂は      全てを見おろしている      全てを理解している      全ては失くなったということ      全ては流れては消える出来事だったんだということ      息を飲むときめきも      息を詰まらせる驚きも      息をしていればこそ      ただ魂となって      全てを受けとめ      全てを受け入れ      全てを光として      これからの私は      私自身を      俯瞰していくのだろう
   存 在 U (2015.2.12)      子を殺す親がいる      こんな子いらない…      親を殺す子がいる      こんな親いらない…      与えられた生命を      慈しむのは難しいのだろうか      与えられた生命に      感謝の気持ちを持つのは      難しいのだろうか      でないと      自分自身さえ      存在しなくなってしまう…      世界のあちこちのテロや戦争      飢餓や病魔      次々生命を落とす人々      道端で死んでる小さな虫      車に轢かれたのか子猫の死体      魂が天国に行けるようにと      心の中でそっと手を合わせる      生きとし生けるもの      生命があってこその存在      生きやすい世の中であって欲しい      存在してることに      意味を感じられる世の中であって欲しい
   漂う心 (2015.2.5)      二人で並んで      夜の海をじっと見てたね      交わす言葉もなくて      ずっとだまって見てた      私は      白ばっかりの花束を      抱いていた      そして      心を決めて      花束を海に流した      ほほ伝う涙を      拭いもせずに      私の背中      あなたは      どんな目で見てたの      振り返ることができなかったよ      星が      二つ続けて流れたね      沖に消えていく白い花      空を流れた二つの星      交わす言葉は      やっぱりなかったね      心も      夜の海のように暗かった      深い深い闇へ向かってた      その闇の向こうに      朝があるなんて      信じられなかった      あれからもう      何年経っただろう      今も      心は闇の中を漂っている      白い花のように漂っている      冷たい心を寄せ合って      今も二人で居るけれど      闇の向こうの朝は      やっぱり      闇の向こうにあるのだろうか      いずれは      光を運ぶ朝となって      表れてくれるのだろうか
   性 格 (2015.1.29)      欲しいと思うものや      必要なものがあるとき      それらは      なぜか      いつも      目の前に用意されていて      手を差し出しさえすれば      いいんだ      ちゃんと      与えられているんだと      感じることができる      私は      今まで      それで よし として来たんだ      だから      あえて      選ぶってことを      しなかったんだと思う      愛する家族も愛犬も      ちゃんと居るべくしてここに居てくれてる      選ばないこと      が      性格かなァ
   見知らぬ空へ (2015.1.22)      せつなさ      という感情は      どこから来るのだろう      想いが届かないからだろうか      何への想い?      自分の不出来な      翼への想い      ただ眺めていただけの      空への想い      気ままに吹いている      風への想い      その風に身を任せている      雲への想い      雲の行き着く見知らぬ      空への想い      どこからか聞こえる小鳥のさえずり      空に翼を広げ      風を感じながら      飛んでいる      もし翼がないのなら      あの雲のように      風に身を任せ      見知らぬ空へ      飛んで行ってしまいたい
   感謝したいこと (2015.1.15)      感謝したいことは      多分      たくさんあるんだ      日々の生活の中に      きっと      たくさんあるんだ      細い雨の降る日の午後      机上のパソコンから目を離し      ホットレモンのカップを掌に包む      不安げな空が      窓から私を見おろしていても      フフンとちょっと笑って      明日の晴れを信じられるかも      傍らを通っても目覚めない老犬は      どんな夢を見ているのだろう      時折ピクンと動く足は      野を駆けているのだろうか      雨 仕事 飲み物 居場所      愛犬 眠り 夢      思い出 希望 明日      日々の暮らし      できごと      通り過ぎる言葉      心にとめさえすれば      もっとたくさんあることに      気がついて行くと      思いたい
   友 へ (2015.1.8)      そんなに自分を責めないで      抱え込んでいるものが      たくさんあることは分かるけど      その全部が      あなたのせいではないはず      少しはしょうがないってあきらめることや      少しはもういいよって許す気持ちや      心の中を整理してみようよ      でないと      心がちっ息してしまうよ      心の中のいらないものに      羽根をつけて飛ばそうよ      痛いの痛いの飛んで行け〜みたいにね      そうすれば      少しは軽くなるはず      きっと広く感じるはず      そうすれば      自分自身も許せるよ      全部が全部うまくは行かないものね      いるものだけ入れとけばいいのよ      心が自由になれたら      呼吸もらくになれる      しばるのも      らくにするのも      あなた自身      そのことに早く気がついて      もっと柔らかい気持ちで      生きて行こうよ      この冬だっていつかは過ぎる      暖かい春だって      すぐなんだから      そうすれば      きっと      笑顔のあなたに会えるよね