あつ子@カナダ12

日本を離れた歳月が、生まれ育った日本での歳月を超えた時、カナダに生きる自分を、
生きてきた自分と一緒に見つめて見るいい機会に恵まれたと思っています。
人の人生は、決して単調でない事などを含めながら、日頃の自分を異国の地で色んな方面から
分析をしてみたいと思っています。これからも、ささやかでも感じる心を持ちながら、
自分の言葉で自分らしさでこれからも綴っていきたいと思います。



 日本の文化を守る  (2015年12月27日)   

トロントも暖冬である。12月13日に日系文化会館で「冬まつり」が開催された。 「夏まつり」があれば「冬まつり」、ということで今年から開催が始まった。 会館の担当者から出店などの相談があったが、日本の東北地方の名物「芋煮会」から ホッカホッカの芋煮鍋を作る事になった。200食分。こんにゃく、油揚げ、人参、 大根などを買い揃えた。三つの大鍋いっぱいの芋煮ができた。みたらし団子も作って 売りましょう・・・ということで試食会を行って、100本のみたらし団子を作った。 たくさんの出店があって大賑わい。雪があればかまくらを作りましょう・・・という ことだったが、いつもの雪はどこへ。暖かい冬まつりになった。 日本の冬・・・やっぱり暮れのコタツで温まりながらNHK紅白歌合戦(トロント紅白 歌合戦)を観る。コタツの上にはみかん、猫がま〜るくなって眠り・・・という提案を 出した。コタツは友人が持っているし、私は重い座布団を持ち運んだ。見事に会場に展示 された。今、TVジャパンで放映されているちびまるこちゃんの世界である。 明けて1月24日は、日系文化会館の大イベント「お正月会」が開催される。杵でつく 餅つき、お屠蘇デモストレーション、お神輿、獅子舞、設置された神社には巫女さん, 茶の湯コーナー、子供達の羽根つき、百人一首、将棋など他、舞台では舞踊や三味線、 着物ショーなどの企画がスタートした。今回の着物ショーは、1月から12月までの 日本の文化を取り入れた。1月はお正月、成人式、2月は豆まき、3月はお雛様、4月 は卒業式、入学式、5月はこどもの日・・・と続く。大掛かりである上にぶっつけ本番 であるが、楽しい舞台にしようと思っている。 異国で日本の文化を継承する為に次世代にバトンを渡そうと今、必死で取り組んでいる。

 水前寺清子チャリティーショー  (2015年11月13日)   

11月7日(土)、トロント日系文化会館(JCCC)小林ホールにて、水前寺清子さんの チャリティーショーが開催されました。 日加タイムスに私のレポートが掲載されました。 ☆日加タイムス掲載の記事はこちらをクリック

 懐かしい味      (2015年7月8日)   

トロントにも大根ができます。ニューヨーク辺りにも出荷されているようです。 友人から、見事な大根を頂きました。早速、葉をくろまめさんのスローフード を参考に佃煮を作ってみました。おいしく出来上がって御飯がおいしくなりました。 蕗も頂きました。トロントに来た頃、長距離で母に電話して調理方法を聞きま した。おいしい蕗のキンピラができました。今でも、母の調理方法で作っています。 子供の頃、苦手だった物も懐かしい味の中でおいしく食べれるようになりました。 紫蘇もいただいて冷蔵庫で眠っています。保存方法を考えながら日々が過ぎています。 長い間、味覚が感じられなかったのですが、ようやく少しづつおいしさを感じる事が できるようになりました。住まいの周辺に、居酒屋やラーメン店がどんどんできてい ます。博多ラーメンができたのでさっそく行ってきました。博多から来た若者が博多 の話を一緒に懐かしい味をいただきました。ラーメンと言えば、ベトナムラーメンも おいしいです。値段も安くてその美味を知ったらとりこになります。 おいしく食べられる事のありがたさを感じています。

 勝負の世界      (2015年7月6日)   

今週、トロントは28度の日が続くみたいだ。この温度になると夏だなあ・・・ と思いながら嬉しくなる。四季を迎え、年を重ねながらだんだんとトロントの冬 の厳しさが重荷になってきているように思う。 なでしこの決勝戦を背にしながら書いている。観客の声が大きくなると振り向い ては観ながらの時間が過ぎていく。勝負の世界は厳しい。ここまで来ると尚更で ある。勝っても負けても涙はつきもの。それは一生懸命にやってきた涙なのだ。 勝負・・・私も病気に勝った。長い十ヶ月の闘病生活の治療も終わり、後は検査 が待ち受けている。これから、5年間は半年に一回の検査が続く。ドクターが 「5年間、チームであなたを守っていきます・・・。」と言われた時に安堵した。 その長い日々は私に様々なことを教えてくれた。生と死の狭間にいる事を考えどの ようにして乗り越えるかは、周りからの精神的な支えも大きかったと思っている。 「病気は医学だけではなく周りの人達の心も大きな治療になるのよ・・・」と体験 した友人から言われた。先日も「あなたのことを毎日祈っているから大丈夫・・・」 と言う言葉もありがたかった。 「終わったね。よく頑張ったねえ・・・」様々な言葉をいただきながら、今を迎え ている。生きている実感を味わっている。

 グレーの季節      (2015年3月25日)   

日本から来た若者が言った。「トロントって枯れた木々が多いですね。」 ずい分遠い昔の話であるが、それはちょうど今の季節だった。瑞々しい緑から色 を付けた木々たちが葉を落とし、厳冬の中、白い雪や氷が宿るその姿が終わると、 トロントは一面グレーの世界と変わる。どうみても枯れた木々たちのように見 える。林の中が一望に見える一瞬でもある。そして、雪の中に眠っていた芝生も 色あせ、雪を解かした大地は元気がない。 しかし、これから大雪が解けた水を吸って、自然は見違えるように、緑の世界 へと変貌する。新緑の美しさは、冬眠から目覚めたようにスクスクと春の暖かさ が新芽を育てていく。大地には、黄色い絨毯を敷きつめたように土の中から太陽 へと背伸びするようにたんぽぽが顔を出す。冬が厳しいゆえに、その春の訪れは 何もかも生き生きとなって、太陽に向かってバンザイをするかのようだ。人の心 も一緒だ。この厳しい寒い季節を終えて、グレーの世界が来ると、もうすぐ、ポッ カポカの陽気な日々がやってくる・・・その変わり目が、待ちわびるかのよう に人の心を明るくして、体中からルンルンルンという音色が聞こえてきそうだ。 まさしく、今のグレーの季節は人と自然が一体となって春を待つ。 このように、春を待ちわびながら、私も二度目の人生のグレーの季節を過ごし ている。思いもかけないことは突然やってくる。残りの人生を生かされていると つくづく思う日々である。 日本は旅立つ歌の季節になった。「会うは別れの始め」「さよならは別れの言葉 ではないそれは出発の言葉である」という名言を思いながら、それぞれの人たち が出発する姿が浮かび、たくさんの人たちと別れ出発してきた日々を思い出す。

 雛祭り      (2015年2月28日)   

今日は日系文化会館の玄関正面にお雛様を飾りました。このお雛様は 友人が寄付をしました。やはり生っ粋の日本人に飾り付けをしてほしいと、 いうことで毎年担当になって大事に飾り付けをしています。もちろん、仕 舞う時も大事に紙に包んで仕舞います。 会館に設置している日本人の幼稚園の園児達が散歩に来たので、「雛 祭りの歌を歌ってくれますか」と言ったら可愛い園児達が一生懸命に歌 ってくれました。 吊るし雛は、友人達の仲間が作ってくださいました。見事な吊るし雛です。 来週の週末は会館で春祭りが開催されます。それに間に合うようにしてい ます。 外はマイナス15度ですが会館の中はすっか春です。嬉しくなってきます。 お雛様の詳細画像はこちらをクリック

 今年も満開!!     (2015年2月26日)   

    実家から梅の花だよりが届きました。     

 春待ちて      (2015年2月9日)   

「東風(こち)吹かば においおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れぞ」 菅原道真が別れに託して詠んだ句である。いにしえから愛された梅 を思い起こす時、実家の老木に咲く梅を思い出す。一輪一輪花を付け るごとに梅の香りも増してくる。春に帰国する度に、洗濯物を干した りしながら梅を眺め故郷にいる幸せを感じていた。実家の後方には、 遠くに山並が見える。故郷に帰ってきたのだと、つくづく思う瞬間で もある。海を眺めながら海の幸をしたため、海を眺めながら温泉に つかり、ある時は山の幸をしたため、山を眺めながら温泉に つかるひとときは、生きてることの幸せを感じる。 歌の歌詞ではないが、この先、何度この故郷の美しさを見ることが できるだろうと故郷を後にしながらいつも思う。そして、何度母を 寂しい思いにさせたのだろうと思う。帰国を知らせるとその日から 母は布団を干したりしながら私を待っていた。ある日、病院に行っ ている間に私は故郷を後にした。母は帰ると誰もいない家に入って 私の名前を呼びながら家に入ったと聞いた時、申し訳なさを感じた。 今、四季を通して思い出すことは母のことが多い。 トロントにも厳しい冬が訪れた。昨年の9月に思いもかけない病に 倒れ二回目の闘病生活を余儀なくさせられている。その中でカナダ、 日本にいる家族はもちろん友人知人たちからの温かい心をいただい ている。そして、毎日、中島みゆきの「糸」という歌を聴きながらた くさんの人と出会い、再会し巡り会った事などを思い出している。                           あつ子

 1月の便り      (2015年1月15日)   

詳細は「にゅうすれたぁ2015年1月号」